「それともうひとつ。彼女は君を育てることができなかった。代わりに私が君の面倒を見るのは彼女の遺志だと思う。だから、私が君の手助けをする。力になりたいんだ」
「いえ、僕はもう大人ですし……」
断ろうとした。しかし、彼は首を振った。
「この先、どうするつもりなんだ? プランを聞いておきたい。リクルートキャンプを卒業した後は」
彼は手に持ったコーヒーカップを手元で揺らしながら尋ねた。テーブルに並べられたポテトやハンバーガーには手をつけようともしていなかった。
「決めていません」
「決めていない?」
ゲイルさんは顔をしかめた。
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