「いや、いくらなんでも。それじゃアシェル君が……」
僕に気づかず背中を見せているオリビアさんは、呆れながら怒っているような声を発していた。
「いえ、預かってもらっている間、食費の仕送りはしますわ」
ママは、お婆さんの肩越しに僕と目が合うと、
「アシェル、元気だった」
と、小さく手を振った。でも、顔が忙しい時に僕を近づけたくない時のそれだったので、僕は動けずにいた。
振り向いたお婆さんは、
「冷蔵庫に『スプライト』あるわよ。それを飲んで待っていてね」
とさっきと変わって優しそうな声をかけてきた。
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