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断るほど稼げる?限られた戦力で収益を伸ばす仕事管理テクニック
みなさん、こんにちは。王子かわはし事務所の川橋です。
自分も経験があるのですがフリーランスとして活動していると、案件が増えるにつれて「これ、本当に受けるべきか?」と迷う瞬間ってありますよね。時間や労力といったリソースが限られている中で、やみくもに仕事を増やせば良いというわけではありません。むしろ「断るほど稼げる」という考え方を取り入れると、限られた戦力でもしっかり収益を伸ばすことができるのです。今回はそんな“仕事管理テクニック”をまとめてみました。特に「断り方」にフォーカスして、さらに具体的なテクニックをご紹介します。よかったら最後まで見てくださいね。
1. 断るほど稼げるってどういうこと?
“がむしゃら”より“選別”が大事な時期がある
フリーランスは働いた分だけ収入になる、というイメージがありますが、実はそう単純でもありません。だんだん仕事が増えてくると選別が大事なタイミングがやってきます。質の低いクライアント、単価の低い案件や、余計な工数を割く案件に囲まれちゃうと、結果的に1時間あたりの収益が下がったり、他の高単価案件の機会を逃したりすることが多いんです。
“質の高い案件”を優先する
この時期のポイントは、時間やエネルギーを「高単価」「自分の専門性を活かせる」「将来につながる」仕事に集中させること。「条件が合わない」「専門外」「無理なスケジュール」などの案件をあえて断ることで、より収益性の高い仕事に十分なリソースを投下でき、次のステージが見えてきます。
怖いんですけど、実はこれって真理です。
2. まずは現状の仕事を棚卸ししてみる
時間コストと収益のバランスを可視化
やりがちな失敗は、「とりあえず全部受け続ける」こと。まずは現状抱えている案件の単価・作業時間・得意度合いなどをリスト化し、どれが本当に“割のいい”仕事なのかを見極めましょう。
単価が高いのに、ストレスなく作業できる案件
実績づくりには最適だけど、今後もつながりそうか微妙な案件
単価が低く、専門外だけど、つい断りづらい案件
などをカテゴリー別に整理します。この可視化には自分の強みがはっきりしている事が大事で、こうしたポイントを整理すると、「これは受けてもいい」「これは断ったほうがいい」という線引きが見えてきます。
3. 案件を断る基準を明確にする
1. 金額・報酬が見合わない
フリーランスが設定している“最低ラインの報酬”に満たない案件は、時間をとられるばかりで利益が出にくいことがほとんど。長期的に見れば、こうした案件を断ることで、高単価案件を獲得しやすくなります。
2. 納期・スケジュールが不可能
自分の既存案件や生活とのバランスを大きく崩すようなタイトなスケジュールには要注意。無理に引き受けるとクオリティを維持できず、信頼を失うリスクもあります。
3. 専門外でクオリティが下がる
作業効率や品質が担保できない案件を無理に受けると、結果的にクライアントとの関係がギクシャクする場合も。「自分が最も得意とする分野」「付加価値をしっかり提供できる分野」に集中するほうが、単価を上げやすいし、ノウハウも貯まるし、長い目で見ても得策です。
4. スマートな“断り方”で関係をキープする
ここからは「断る」際のコミュニケーション方法を深掘りして解説します。断り方ひとつで、今後の収益機会やクライアントとの関係がガラッと変わってくるので、じっくりチェックしてみてください。
4-1. 「感謝+理由+代替案」の基本フレーム
感謝を伝える
「この度はご依頼いただき、誠にありがとうございます。」
「お声がけいただき、大変嬉しく思います。」
まずは相手があなたを信頼して声をかけてくれたことをリスペクトしましょう。短い言葉でも、誠意が伝わりやすくなります。
断る理由を明確に示す
具体的な理由を伝える(「スケジュールが詰まっている」「専門外」「報酬基準と合わない」など)
数字や状況を交えて客観性を持たせる
「現在、既存案件で稼働率が90%を超えているため」「通常は最低〇〇円以上でお引き受けしておりますが…」など、説得力のある根拠があれば相手も納得しやすいです。
代替案やポジティブなメッセージを添える
「納期を1週間延ばしていただければ検討可能です」
「予算を○○円まで検討いただけるようでしたら対応できます」
「〇〇分野に詳しいフリーランサーをご紹介できます」
完全に断るにしても、何かしら“次の一手”を提示してあげると、相手も「この人は誠実に対応してくれている」と好感を持ちやすいです。
4-2. 具体的な断りメールの文例
ケースA:専門外の案件
件名:〇〇のご依頼について(ご相談の件)
△△様いつもお世話になっております。この度は〇〇(案件名)につきましてお声がけいただき、誠にありがとうございます。大変興味深い内容ではございますが、現在の私のスキルセットではご期待に十分沿えない可能性が高いため、残念ながら今回のお仕事はお受けできそうにございません。もしご希望でしたら、同分野を得意としているフリーランサーの方をご紹介することも可能です。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。また、別の分野でお力になれる機会がありましたら、ぜひご相談いただければ幸いです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
ケースB:報酬や条件が合わない場合
件名:〇〇案件の条件につきまして
△△様この度はご依頼いただき、誠にありがとうございます。〇〇案件について拝見しましたところ、作業範囲が広く、通常より工数がかかると想定されます。私の通常基準としては、同様の業務ですと概ね○○円~となっており、今回提示いただいた条件では十分なクオリティを担保するのが難しい状況です。もしご予算の再調整が可能であれば、ぜひ改めて詳細をお伺いしてから検討させていただきたいと考えております。どうぞご検討のほどよろしくお願いいたします。
4-3. 断るタイミングと手段
タイミングはできるだけ早めに
クライアント側も他のリソース確保やスケジュール調整が必要になるため、断ることを決めたら即連絡を入れましょう。遅くなればなるほど、相手の手間も増え、印象が悪くなりやすいです。手段はメールかチャット、可能なら電話のフォロー
やり取りの記録を残すためにも、まずはメールやチャットで“文章”として断りの意思を伝えるのが基本。そのうえで、状況によっては電話で「直接お詫びとご説明をしたほうがいいかも」と判断したら、補足の電話を入れるとさらに丁寧です。
4-4. クライアントの反応別・追加テクニック
「なんとかしてほしい」と食い下がられたら
スケジュールや報酬を再提示する(応じられる最低ラインを明確に)
「これ以上の値下げ(or 納期短縮)は、品質面で責任を持てません」とプロとしての姿勢を示す
無理に合わせすぎると、今後の案件でも負担が増えてしまうので注意。
不快感を示されたり感情的な反応があったら
まずは相手の立場を理解する姿勢を示す(「そのご要望はよくわかります」)
「しかしながら、今回は○○の理由で…」と、冷静に事実を繰り返す
相手の感情に引きずられず、あくまでビジネス的な要因で難しいという点を再度丁寧に伝えます。
次のオファーを狙う場合
「今回は難しいですが、今後もし○○に関する案件があればぜひお声掛けいただければ幸いです」
「スケジュールに余裕ができる△月以降であれば、ご協力可能かもしれません」
今回は断るけれど、“また依頼したい”と思ってもらえるような言い回しを意識しましょう。
4-5. 言いにくい断りこそ「誠実さと根拠」がカギ
「なんとなく無理」「うまく説明できないから断らない」ではなく、客観的な事実(報酬ライン、スケジュール、専門性など)を根拠にするのがおすすめです。
具体的な数字や状況を出すほど、相手も「それならしょうがない」と納得しやすくなり、人間関係にもヒビが入りにくいです。
5. “断る勇気”が生むメリット
高単価案件への時間確保
単価が低い仕事や時間がかかりすぎる仕事を削ることで、より収益性の高い案件に注力できます。クオリティ維持につながる
無理な仕事を抱え込まず、余裕を持つことで作業のクオリティが上がり、結果的にリピート率や顧客満足度が高まります。心の安定と成長の余地
スケジュールに追われるばかりでは新しいスキルを習得する時間も減ってしまいます。断ることで“学習の余力”を作り、自分の市場価値を高めることができます。
6. 継続案件の見直しも重要
付き合いの長いクライアントでも負担が大きいなら要再検討
“長く付き合っているから断りづらい”と感じる案件ほど、実は負荷が大きいということも少なくありません。継続案件でも「納品本数を減らして継続可能か」「報酬を再交渉できないか」など、時々見直しを行うことが大切です。
早めに相談・調整を
もし断る場合でも、長くお世話になっている分、早めに連絡するのがマナーです。相手が代替手段を用意できるよう配慮することで、良好な関係を保ちやすくなります。
まとめ
限られたリソースで利益を最大化するには、「あえて断る」という選択が重要な戦略となり得ます。
自分の強みと案件を棚卸しして“割のいい仕事”を見極める
断る基準を明確にする:金額・納期・専門性など
(重要)スマートな断り方:感謝+理由+代替案を意識し、具体的に伝える
余裕を作ることで、高単価&クオリティアップのサイクルを作る
結果として「断るほど稼げる」という状態をつくることは十分可能です。
無理して仕事を抱え込みすぎず、自分の得意分野を活かした案件に集中することで、少ない戦力でもしっかり利益を伸ばしていきましょう。
断り方ひとつで、あなたのフリーランスライフがより豊かでゆとりあるものになるかもしれません。