なぜヨーロッパの森は絶望で、アメリカの森は希望なのか?
【表】ヴォルデモートは森にいる
えてしてヨーロッパの作品は森を「悪いもの」として描きます。
『ハリーポッター』シリーズに登場するホグワーツ城ちかくの広大な森は「禁じられた森」と呼ばれており、そこには危険な生き物が生息するといわれていて、生徒たちは立ち入りを禁止されています。シリーズを通してハリーたちはたびたび森に入らざるをえなくなりその都度やっぱり危険な目にあってしまう。『賢者の石』で宿敵ヴォルデモートがはじめて登場したのも『死の秘宝part 2』で彼がその軍団をひきつれ陣営を張ったのもまさに森でした。悪は森にあって森も悪をかくまうのです。
ディズニー映画『白雪姫』では、主人公が邪悪な女王から逃れるため森に逃げ込むシーンがありますが、その森は白雪姫にとって脅威の場所となり、彼女は恐ろしい幻覚を体験します。『美女と野獣』でもベルが父親を探しに行った森で狼に襲われたりする。グリム童話はそんなんだらけ。
以上3作品は、順にイギリス・ドイツ・フランスといったヨーロッパを舞台としたものですがどうも森に対するネガティブなイメージが見受けられる気がします。そこで今回調べたところ、以下のことが分かりました。
それは
広葉樹が多いためヨーロッパの森はそもそも物理的に暗いということです。
広葉樹とは、広く平たい葉を持つ木のことを指します。つまり葉っぱ一枚一枚の面積が大きいわけです。すると大きく広がる葉が太陽の光を大量に遮るため、森の下層部は比較的暗くなります。暗ければ視界は悪くおのずと危険な場所になる。
その自然条件を背景とするヨーロッパ人の自然観が、映画における森林の扱い方そのイメージの持ち方ひいては物語上の善悪の描き方に少なからず影響を与えている、というのは十分に考えられる話です。
【裏】同性愛者は森にいる
一方アメリカです。
僕はアメリカに留学していた頃、森林をテーマとする短編映画を製作しましたから、ヨーロッパの自然観とまるで違うアメリカのそれについて多少の知識があります。
例えばハリウッド映画『ブロークバック・マウンテン』では、同性愛者の男ふたりが人目を忍んであえて森の中でひそかに会っては逢瀬を重ねます。
なぜか。
2つの理由が考えられます。
それは
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