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失礼なYou Can

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英語で人に何かを勧める時にどのような表現を使うかで、その人の英語力がある程度見えてきます。「Aを選ぶことをお勧めする」を考えてみましょう。

I recommend you choosing A. は非常に固い印象を受けます。そこで中級以上の英語学習者はYou can構文を使うようになります。実は私もけっこう多用していました。
You can choose A.

しかしながら、このYou canを繰り返して使うと、native English speakersに無礼な印象を与えるというのです。

ウィリアム・A.・ヴァンス著(神田房枝監訳)『日本人の知らないワンランク上のビジネス英語術』(阪急コミュニケーションズ)から引用します。

日本人の知らないワンランク上のビジネス英語術

驚くべきことに、アジアからの留学生のなんと80%以上が…いつも繰り返して使っているお決まりの構文があります。…それはYou canで始まる文です。彼らは大抵、このYou canを用いて、You can visit the museum, or you can go to the ice cream shop, or you can walk near the lake. のように提案します。

正直、これはいただけません。

その理由は、You canを繰り返して相手に自分の考えを勧めると、無礼な感じがするばかりでなく、語彙が足りない、洗練されていないという印象を残すからです。(p.122)

では、You can の繰り返しを避けるにはどうすればよいのか。この本では簡単な表現を用いた代替案が紹介されています。

You could visit the museum.
You might consider going to the ice cream shop.
You might enjoy walking near the lake.
One suggestion is to eat at the Italian restaurant.
Another option would be to watch a movie.

なるほどと思いました。前半3つはyou canの構文を残しながらもcould considermight enjoyで微妙に変化させるもの、下の2つはsuggestionやoptionを使うというものですね。

他にも、この本の中では紹介されてはいませんが、If I were a visitor like you (/ If I were in your shoes), I'd choose A within a split second. のように、仮定法を用いて「私があなたなら、Aを選びますね」を意識した表現法もアリでしょう。

初級レベルの英語から卒業するのは、ボキャブラリーを変えなくても、表現に少し変化を持たせることで可能になります。特に顧客を相手にするビジネスパーソンは、頻繁に質問される事項の回答について、少なくとも3、4以上の異なる表現がすぐに口から出てくるようにしておくと、顧客にずっと洗練された印象を残すことができます。それになんといっても、すらすらと自信を持って相手に提案ができるのは、プロフェッショナルの神髄だと思います。(p.123)

ありきたりな内容ではありながら、かっこよく言い表す英語表現は、実は英語の映画やドラマの中で頻繁に出てきます。印象に残ったものを意識して覚えていくと、きっといつか役に立つ日が来るはずです。

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