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他者と働く──「わかりあえなさ」から始める組織論 宇田川 元一、書評、読書

目の前の課題を「技術的問題」と「適応課題」という言葉で分けて丁寧に説明している本。タイトルは組織論だが、私はこの本を結婚や育児論として伝えたい。
この本を読んだのは2024年で、その時に私の子供はすでに小学生だったので、この本が育児に役立ったわけではない。
ただ、コロナ禍での育児という状況がとても大変で、振り返ると私は育児を通じて自分の解釈(認知やキャラクター)を変えたと感じている。つまり適応課題に対応したと感じているので、紹介したい。

本の解説は下記ページが分かりやすいと思いますのでご参照ください。

「技術的問題」と「適応課題」の違い

私の解釈では
・「技術的問題」はお金で解決できる問題
・「適応課題」は自分の解釈を変えなければならない課題。お金で解決できない。

人生における適応課題

下記のイベントが一般的な適応課題だと思う。適応課題になるかは人によると思う。受験や就職を難なく乗り越える人もたくさんいる。

  • 受験、就職、転職

  • 出世、起業、海外転勤、家業を継ぐ

  • 合併、買収、システム導入などのルール変更

  • 結婚、同居、出産、育児

  • 介護、病気、死別、事故、トラブル

自分が変われず、適応課題を解決できない場合に発生するシグナル

就職、転職、出世、起業、海外転勤
→ 退職、組織の崩壊、うつ病などメンタルをやられる

結婚、同居、出産、子育て
→ 不倫、離婚、別居、育児放棄、DV

介護、病気、事故、トラブル
→ 親族間不和、自殺、その他

コロナ禍での育児はギャップ型

振り返ると、私が経験した育児という適応課題はギャップ型だったと思う

・マスクをしろという社会の空気とマスクを嫌がる3歳の子供に疲弊する親
・飛沫を飛ばすなという社会の空気とたくさん笑って泣いて元気に育てたい親の願い
・自粛で自宅にいなければならない状況と外で走り回りたい子供

自己喪失までの道のり

・親側の仕事や環境もコロナ禍で色々と対応を迫られる毎日で酒の量が増える
・社会の空気もだんだん鋭くなっていく上に、子供の癇癪や夜泣きも酷く、妻のメンタルがやられ始める。
・自分が良かれと思っている育児が通用しない。むしろ良くない結果を生んでいる。
・そんな時に読んだ本が「降伏論」w

・もう無理と子育てに降伏し、お菓子やアイスも積極的に与えるようになった。
・子供にタブレットを与えYoutubeを見せるようになった。
・おかげで「子育てはこうでなければ」という自分の常識を捨てることができて余裕を持てるようになったし、子供も成長してきて段々と癇癪も落ち着き始めた。

コロナ禍でなかったら、収入がたくさんあったら離婚か別居していただろう

・今振り返ればコロナ禍の育児でよかった。
 公園や施設に人(高齢者)が少なかったから
・収入が少ない夫でよかったw
 お金があったら育児を「技術的問題」と解釈し、離婚や別居に至っていただろう。

そもそも、なぜ離婚するのか

せっかく結婚したのになぜ離婚するのかは、原因は「相手を変えようとする」から。もしくは言い換えると「相手をコントロール」したいから。
結婚は「適応課題」なので結婚を通じて自分が変わらなければならない。
自分の常識とは何かを自分自身がよく認識し、相手の常識と対話する必要がある。

「離婚」は、適応課題である「結婚」を技術的問題として扱ってしまい、金で解決した結果である。もちろん全てとは言わない。様々な理由がある。
育児も「適応課題」である。子供を変えようとするとうまくいかない。相手を受け入れ、自分が育ってきた環境などと自分自身が向き合う必要がある。
結婚生活を通じて自分が変われず、育児を通じても変われない場合、子供が小さいのに離婚に至ったり、不倫という別のイベントが発生したりする。

まとめ

夫婦生活や育児を通じて親も大人になっていく。
スペックで判断した結婚相手だろうが、お見合いだろうが、必ず「うまくいかない」ようになっているのが、結婚や育児という適応課題。
自分の解釈を変えるしかない。相手はコントロール出来ないし、コントロールするものでもないし、コントロールしてはいけない。
お金では解決しない。
結婚や育児でクソほど発生する課題が「技術的問題」なのか「適応課題」なのかよく観察しようw
そして「適応課題」であれば喜んで対応し、自分の解釈レベルを上げていこう!


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