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料理をおいしく作るコツ 〜味つけ編〜

おいしい健康のあずさんです。

 私が昔から憧れる人。それはレシピを見なくても、冷蔵庫にあるものでパパっとおいしいものを作れる人。
 小さい頃、近所に住んでいた友達のお母さんがまさにそうで、「今日夜ご飯食べて行く?冷蔵庫にあるものでしか作れないけど」という言葉に二つ返事で答えると、みんなが笑顔になるようなとびきりおいしい料理を出してくれました。
 その子の家に遊びに行っては、少し遅くまで遊んで、おいしいごはんまでしっかりといただいてくる。子どもながらに、夜ごはんが食べられるよう「遅めの時間から遊びに行こう」と、戦略的に遊びに行っていたことをいまだに覚えています。

 ただ、そんな人は特別な才能とセンスを持った一握りの人。私には程遠い存在…と思っていましたが、調理学を学ぶと一定の法則があることを知り、目からウロコ。その時は、「後天的でも、センスが磨けるのかも!!」と嬉しくなった思い出があります。


ほどよい味つけとは?

 まいまいの記事でもありましたが、そもそも人が「おいしい」と感じるのは、人間の体液(生理食塩水)と同じくらいの0.8〜1%程度の塩分量。

つまり、「材料の重量」と「調味料の塩分量」を計算すれば、おいしいと感じる料理に近づけることができます。
 それを「調味パーセント濃度」といい、レシピを作るときは、これを考えながら作成しています。

調味パーセント(%)=調味料の塩分量÷材料の重量(汁物の場合は液体量)×100


 適量とされる調味パーセント濃度は、料理によって異なります。
 
 例えば、ごはんと一緒に食べる主菜であれば、ある程度塩味を感じないとごはんが進まないので、生理食塩水より少し多めの1〜1.5%程度が適量。箸休めとなる副菜であれば〜0.8%程度、液体そのものを飲む汁物であれば、生理食塩水に近い0.8〜1.0%程度。
 ただ、同じ汁物であっても繊細なみそやだしの風味を楽しむみそ汁やお吸い物はこちらの基準となりますが、バターや牛乳などうま味や風味が強い洋風のスープであれば、少し薄めでもおいしく感じられます。


では実際のレシピで考えてみます。

豚肉(100g)と玉ねぎ(50g)を使って、しょうが焼きを作る場合は、食材全体の重量=100+50=150g

しょうが焼きなので、ごはんが進むように調味パーセントが1%程度の味つけにするには
調味料の塩分量=150×1÷100=1.5g

塩分を1.5g入れればおいしいと感じる味つけになることがわかります。


調味料の塩分量とは?

では塩分1.5gと言われても、どの調味料をどれだけ入れたらいいのでしょうか。
調味料の塩分量は調味料によって大きく異なります。

例えば、小さじ1杯で比べると、塩の塩分量は6g。しょうゆの塩分量は1g。つまり塩はしょうゆの6倍の塩分量があるということになります。

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*日本食品標準成分表2015年度版(七訂)参照


しょうが焼きの味つけをしょうゆだけでする場合は、

しょうゆ小さじ1杯の塩分量が1gなので、塩分量を1.5gにするには、小さじ1と1/2(9g)を入れればいいことになります。

そこに砂糖やみりんで甘味やコクを出したり、お酢の酸味を効かせたり、とうがらしを加えて辛味を加えたり・・・

どういう味つけにしたいかをイメージして調味料を合わせていきます。


おいしい健康レシピの味つけの秘密

 おいしい健康のレシピは調味パーセント濃度を意識しながらも、なるべく塩分を控えめにするために様々な工夫をこらしています。

例えば、こちらのポテトサラダのレシピ。


じゃがいも(70g)+玉ねぎ(10g)+きゅうり(10g)+ローストハム(5g)=95g
対して、食塩相当量(塩分量)は0.6gなので、おおよそ0.6%程度。

一般的なポテトサラダは、マヨネーズや塩をもっと多く使われていますが、お酢の酸味を効かせることで、塩味が引き立ち、おいしさを保ちながら減塩できるように工夫されています。


肉じゃがは甘辛い味でごはんがすすむ定番の家庭料理。ただし、しょうゆや砂糖を多く使うため、塩分が高くなりやすい一品です。

それを、おいしい健康のレシピでは、

牛もも肉(40g)+じゃがいも(80g)+玉ねぎ(40g)+にんじん(20g)+グリンピース(5g)=185g
対して、食塩相当量(塩分量)は1.4gなので、おおよそ0.7%程度。

だしを効かせたり、香り豊かなしょうがを加えることで、塩分を減らしても物足りなさを感じさせないように作っています。

ごちそうさまという幸せを、あなたへ。

塩味が強すぎると素材の味が消えてしまったり、ごはんやお酒が進みすぎてしまうし、弱すぎると食欲がわかず途中で飽きてしまう。

ほどよい塩分量に仕上げるというのは、料理を作る上で永遠のテーマなのかもしれません。


ただ法則がわかると、レシピを見なくてもある程度味を調整することができる!という事実は私にとってはとても嬉しいもの。

憧れに近づくために、日々精進していきたいと思っています。


おいしい健康管理栄養士 あずさん