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《キンカノート》 成長が遅いヒナ2号を、病院に連れて行った話。
今のところ「2号」と呼んでいる3兄弟の2番目。
そう、私からのさし餌時にイヤイヤ期を迎え、両親のケージに出戻って餌をねだっていたあの子。
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今はもう一人でしっかり餌も食べるし(親ほど大きくなった図体で)ゴマだれ父さんに甘えて追いかけ回すことも無くなった。
ただこの子だけ、放鳥タイムをゴマさん・ぽんちゃんと過ごそうが、兄弟たちと過ごそうが、定期的にじっとしてと丸くなる姿が見られる・・・。
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やはり一人だけ成長が遅く、身体が少し小さいのが関係するんだろうか・・・。
放鳥中、他の子と違うものすごいテンションで
「ギャッギャッギャーァァァァッ!」
と叫んでびっくりさせられたかと思うと、急に静か〜になって、
”ん?”
と思って探すと大抵くちばしを羽根の中に埋めて寝ているのだ。
うーむ・・・。
兄弟たちとは一緒に遊ぶし、ブランコだって得意なのだが、突然ひとりだけ離れてこんな風に丸くなる事が1日に何度も・・・となると、やはりどこか悪いんじゃ!? と心配になってくる。
わーん、2号よー!どうしたんだー!?
・・・と、いう訳で
こんな時はすぐさま動物仙人様だ。
(仙人様のお話はコチラ↓)
受付のお姉さんが今日も優しく、
「この子は初めてですよねー、お名前はなんですか?」
と聞いてきたので
「えーっと・・・2号です。」
と言うと、
「ん?2号さん?」
と聞き返された。
”あっ・・・”
お姉さんの聞き返しにその意図があったのかどうかは分からないが、私はとっさに
”2号さんはマズいか・・・”
と思い、
「あ、いえいえ!にごです!ニ、ニゴ!カタカナでニ・ゴ、です!」
と答えた。
「ニ・ゴ、ですね、は〜い」
お姉さんは変わらずニコニコしながらカルテを作ってくれた。
2号さん。
今ではもうとっくに死語なのだろうが、2号さんとは”ラ・マン”のこと。
つまり、”愛人”のことを指す。
なのでなんとなく勝手に深読みした飼い主は一人あたふたしてしまったのだ。
そしてそのまま待合室で待っている間、
”なんだか思わぬ所でこの子の名前が決まってしまったぞ・・・”
と思いながらも
「ニゴちゃん、ニーゴちゃん♡」
と呼んでみたりした。
2号改めニゴくん。どうやらお隣の人のケージの中にいる猫ちゃんが気になるようで、必死に首を伸ばしては時折「みー、みー。」とアピールしていて、初めての場所も全く怖くないようだった。
そこからしばらく待って診察台の上に乗せられたニゴは、これからお世話になるというのに動物仙人様を前にめちゃくちゃ強気で
「ギャッギャッ!!」
と威嚇し、ぴょんぴょん跳ねて騒いでいた。
私は密かに
”これこれ、その人は見た目こそ怪しいけど君の味方なんだよ。なんでそんな暴れんのよ〜。元気じゃねーか、って思われるじゃないかーっ。騒ぐのやめい、やめい”
と、ニゴに必死に念を送っていたが、全く届いてはくれなかった。
仙人様は今回も糞尿を目視でチェックし、しばらくニゴに話しかけたり動きをチェックしたかと思うと前回同様
「心配ないよ〜。」
と軽い口調で言った。
「まぁちょっと疲れやすいか、まだ睡眠が必要な子なのか・・・。なんにせよ心配することは無さそーだよ。っていうか、どっちかって言うと
だいぶ威勢が良いよ、この子(笑)。」
と笑っていた。
そして結局お父さんのゴマだれの時と同じような栄養剤のみをもらって帰宅。
それをお水に混ぜて与えていると二日経った頃には膨らむことも減ってきた。
それ以降本当に今まで一度も病気や怪我をしていないニゴ。
”やはり、動物仙人はすごい。”
改めてそう思ったのだった。
そして小鳥をしっかり診てもらえる病院は少ないので本当に本当に
ありがたやーっ
と、飼い主はいつも手を合わせている。
今週も読んで頂きありがとうございまス!