影の主役【奥入瀬 23/10/19】
日々、少しずつ秋が深まっていく奥入瀬渓流ですが、今こそ林床の緑、シダに注目したいのです。
私は奥入瀬渓流をご案内する時に
「奥入瀬渓流の影の主役はシダといってもいいくらい」
と、よく言うのですが、それほどまでに奥入瀬渓流の森にはシダが溢れています。
落葉広葉樹が中心の森において、ここまでの密度でシダが繁茂していることは稀です。
一定の水量で流れる本流に、左右から合流してくる支流の滝、夏のヤマセに冬の積雪
湿潤な奥入瀬渓流だからこその景観です。
そんなたくさんのシダの中で、群を抜いて精密なデザインを持つのが、冒頭のシダなんです。
何度見ても惚れ惚れします。
ゆっくりじっくりと奥入瀬渓流の自然を楽しんで欲しいという想いで、
奥入瀬渓流ホテルでは苔をテーマにした苔さんぽというツアーを行っていますが、
いつの間にやらシダさんぽになっていることもしばしば…。
これからの時期、紅や黄などの彩りばかりに意識が向いてしまいがちですが、林床のシダの緑(苔の緑もね!)があることでその彩りも引き立ちますし、その逆もまたしかりなのです。