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パスタを作る

お皿にパスタを盛り付ける。先に麺を、その上にソースを載せるように按配する。
エリンギを刻む。
ベーコンを刻む。
茹で上がった麺をソースに絡める。
麺をお湯に入れる。
タイマーのスイッチを入れる。
シメジを刻む。
具材はシメジから炒め始める。
茹で汁をフライパンに入れる。
熱したフライパンにオリーブオイルを入れる。
生クリームを大さじ3杯、パルメザンチーズを大さじ2杯。
注文を受ける。
最後に黒胡椒を3擦り。
ベーコンとエリンギは同時に入れる。
麺の量を計る。


珈琲を淹れるという行為は、レーモン=ルーセルの小説のように、あるいはまたセックスのように、それ自体で完結している。入った珈琲を飲む人がいるかどうかは関係ない。珈琲を淹れる行為はそれだけで自足している。眠るように、あるいは死ぬことのように。
わたしは、「趣味は?」という質問には「珈琲を淹れること」、「仕事は?」という質問には「珈琲を運ぶこと」と答えている。純粋に珈琲を淹れることそれ自体は、決して仕事にならない(珈琲を淹れることを仕事にするのは、まるで淫売だ)。
珈琲を運ぶ、パスタを運ぶ、シフォンケーキを、レアチーズケーキを。わたしは蟻と同じことを仕事にしている。
書くということもまた、それだけで自足した行為である。読む人を想定して書くことは、「生きる」ことと同じように欺瞞に満ちている。
生きることを殺すことだとミスリーディングしている人があまりにも多い。

#哲学 #レーモンルーセル #カフェ #珈琲 #パスタ

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