お別れの日
メンタルは強い方だと自負している。
人生の底を幾度か経験しているから、まぁ大抵のことは凹む事すらない。
ケ・セラ・セラ。
人生はなるようになるし、なるようにしかならない事はわかってる。考えても変わらない事は考えないし、過ぎた事を悔やむことも無い。
その代わり、考えてどうにかなるかも知れない事は全力でやる。
だか今夜はとても落ちている。
明日、2匹の飼い猫とお別れする事になっているからだ。
理由は私の転勤だ。今の住まいはペット飼育可のビルなのだが転居先はペット不可である。
もともと2匹ともパートナーの飼い猫だったのだが、諸事情で飼えなくなったため私が2匹を預かる事になった。
それ以前から、私は保健所から引き取った保護猫を2匹飼っていたので一時期は私の部屋に4匹の猫がいた。
しかし相性と言うか、元々飼っていた2匹は新参の2匹を部外者と感じたのかとても一緒に飼えるような状態では無く、隙があれば攻撃してしまう状況だった。
悩んだ末に、私が飼っていた2匹は知人に引き立ってもらう事になった。
それから2年、パートナーから預かった2匹とずっと暮らしてきた。最初は怯えていた2匹も少しずつ慣れてきて、すっかり家族として迎え入れてくれるようになった。
異動が決まってから、すぐペットを飼える住居を探したのだが、結局見つけることができなかった。
パートナーにその旨を伝え、明日2匹を迎えに来るとの事。
慣れたトイレやキャットタワーじゃないと不安になるだろうと思い、トイレもキャットタワーも綺麗に洗って一緒に引き渡す用意をした。
2匹が毎夜ねだってくる好物のおやつも新しいものを用意した。全て明日一緒に手渡すつもりだ。
今生の別れではないのは分かってるが、毎日2年間暮らしてきたのだからやはり辛い。
明日、送り出した後の部屋はどれほど寂しいだろう…そんな事ばかりを今日は考えてしまう。
まだまだ弱いなと痛感する夜。