愛媛県の話をしよう②
来週末はどうやらお天気が下り坂らしい。
土日の午前は何かしら運動すると決めているものの、屋外での運動以外はやりたくない。
以前、自宅で出来るロードバイク用のスマートトレーナーを買ったことがあるが嫌気がさして数回で辞めてしまった。
運動をする事は人それぞれの目的があるだろうが、自分の場合は流れる景色や日常では体験出来ない感覚を楽しむ結果として運動をしているから、ジムに代表される室内トレーニングでは満たされない。
そんな訳で来週は運動出来無さそうと言う事で今日は早起きして、松山市沖に浮かぶ興居島(ごごしま)の小富士に登ってみた。
高浜港という小さな港から、これまた小さなフェリーに揺られる事15分。興居島はとても近い場所にある。
小さくともカーフェリーなので車でも行けるし、歩行者なら片道250円だ。
本来は高浜港から「泊港」「由良港」の二つの港へアクセス出来るのだが、今は由良港が工事のため泊港との往復便しかない。
ただし本数は倍になってるので、個人的にはかなり有り難い。
今日は夜明け前に家を出て、フェリーに乗る頃に明るくなり始めた。
多くの人が乗り合わせたが、半分は釣り人でもう半分は地元の人っぽかった。少なくとも登山者風なのは自分だけだった。
船に乗ると気持ちが上がる。刻一刻と近づいてくる興居島。キンキンに冷えた潮風に身が引き締まる。
過去、興居島には恐らく数十回上陸しているが、その全てがロードバイクだった。
登山で訪れると、また違うワクワクがある。
泊港の真正面の路地を進むと「小富士登山道」という立派な看板があった。実に有り難い。
登山道はなかなか見つからない事が多々あり、スタートで挫折する事も多いのでこう言う御心遣いが身に染みる。
登り始めた太陽を背に、民家の間をテクテクと登る。
島の人々の暮らしの雰囲気を感じる。
興居島はみかんの生産で有名な島なだけあって、登山道の途中には両側にみかん畑を見る事が出来る。
小富士は標高282mなので登山というには憚られるが、その道程は意外にキツかった。
通常、登山道は右に左に折れながらつづら折りになっており斜度を軽減する造りになっている。
しかし小富士は、みかん生産に適してるだけあって急峻な山体をしており登山道もほぼ直登型だった。
直登というのは、読んで字の如く直線的に山頂に向かう登り方だ。一番きつい形である。
たった300m足らずの山でも、息が切れる。
ようやく山頂に着いた時にはホッとしたと共に、ご褒美が待っていた。
ご覧の光景である。言葉は出ない。
手前に見えるのが高浜港界隈、その奥に高縄山系、右最奥が石鎚山系である。
山頂はとても広けていて裏側からは周防大島(山口県)が見える。
たった282mの山だが、船旅であり強めの登山であり、最高のビューである。
もちろんロードバイクでの楽しさ(西側は地獄)も言わずもがな。
ビーチも宿泊施設もあるし、何より海が一年中綺麗だ。
愛媛に来たなら一度は楽しんで貰いたい島である。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?