【世界の秘密】マリアージュ~29歳でも成長できる【初めてのパインバーグディッシュ】
大人気ハンバーグレストラン店「びっくりドンキー」(以下びくドン)
札幌に1号店が出来て僕も小さいころから馴染み深くこの店のハンバーグが大好きだ。
そう、ハンバーグが美味しい。ハンバーグを食べていれば幸せになれる。そう思っていたが昔からある疑問を持ち続けていた。
パインバーグディッシュ
こいつだ。
レギュラーバーグディッシュ
エッグバーグディッシュ
チーズバーグディッシュ
おろしそバーグディッシュ
ポテサラパケットバーグディッシュ
パインバーグディッシュ
びくドンの看板メニューに堂々と並んでいるが今まで食べたことがない。
理由としてはハンバーグとパイナップルを一緒にする意味が分からない。
ハンバーグの良さとパイナップルの良さを知っているがこの二つが合体しても明るい未来が僕には見えてこない。
しかしテレビ番組やネット記事で見るびくドン特集で必ずパインバーグディッシュの魅力を語る人間がいる。
正直いくら貰って言わされているんだ?と疑問を持ったこともある。
だが、僕も大人になり新たな道を切り拓くことの重要さを学んできた。
なので僕はびっくりドンキーのパインバーグディッシュを食べると決意した。
仕事終わりにびっくりドンキーへ向かった。
しかし足取りは重い。決意を固めたは良いが不安が残っているのだ。
ハンバーグにパイナップル…熱の通ったパイナップル、甘いものが乗っかったハンバーグ…
パインバーグディッシュは僕にとって未知の世界だ。なのでどうにか少しでも受け入れ態勢が取れるようにパインバーグディッシュについて想像してみる。
熱の通ったパイナップルはブラジル料理「シュハスコ」と思えばいい。
肉とは別に串に刺さったパイナップルが出される。
しかし食べたことがないから想像がつかない。
甘いものが乗っかったハンバーグは焼き肉チェーン店牛角の「わたあめすき焼きカルビ」だ。
肉の上にわたあめ、焼き肉なのにすき焼き、すき焼きなのにカルビ
パインバーグディッシュは「わたあめすき焼きカルビ」ほど多くの情報が乗っていないし食べたことがないから想像がつかない。
けっきょく僕はパインバーグディッシュに不安を抱えたまま入店した。
時間帯は夕食時ということもあり多くの人がびくドンで食事をしており、待ち時間を要された。僕は整理券を取って呼ばれるのを待つ。
今ならまだ店を出ることが出来る。引き返すなら今だ。
しかしここで逃げるわけにはいかない。
失敗より後悔の方が怖い
そんな言葉を呟くと僕の番号が呼ばれた。
席に着くと隣には子ども連れの家族が座っており食育支援の「もぐチャレ」に挑戦していたのだ。
そして僕もまたこのびっくりドンキーでチャレンジをする。
パインバーグディッシュを注文する。
しかも親子パインバーグディッシュだ。凄いぞ凄いぞ。450gのハンバーグにカロリーは1325Calと化け物メニューだ。
更にパインを追加する。
初めてのパインバーグディッシュでなぜこんなことをするのか。どうなるか分からないんだから150gでいいじゃないか。
だが150gを食べてどうなる?自分を変えることが出来るのか?
自分を変えるなら450gの親子パインバーグディッシュにパインのトッピングだろ。
素直になれ。自分は変わりたいんだと。
注文をした。
緊張の中で親子パインバーグディッシュを待ち続けていたらついに僕の目の前に運ばれてきた。
これが親子パインバーグディッシュ+パインだ!!!
圧倒的なボリューム。上に乗っている150gのハンバーグからはみ出るパイナップル。
ライスゾーンに迷い込んだ大根
これがパインバーグディッシュ…
空腹とは別に生唾を飲み込む。僕は今からこのパイナップルが乗ったハンバーグを食べる。
もう戻れない。やり残したことはないか?ここから先はセーブできないぞ。
この後はパインバーグディッシュを食べたという事実のみが残る。
一口目、パインを小さくすることなく一個まるまるハンバーグに乗せる。
そしてパインの乗ったハンバーグを食べた。
熱い。最初の感想はパイナップルの熱さに驚いた。
パイナップルといえば冷えた状態でしか食べたことがないのでそのギャップに驚いた。
しかし熱さに負けるわけにはいかない。ハンバーグとパイナップルを味わなければ。
来た、ハンバーグだ。美味しい。
これは分かる。びくドンのハンバーグが美味しいのは世界の常識。
次にパイナップルが来る。熱いパイナップルには驚きを隠せなかったが徐々にパイナップルの味が舌に伝わってくる。
パイナップルの果汁が舌に広がっていく。パイナップルの果汁ってこんなに出るのか?
そしてパイナップルの果汁とハンバーグが合流する。
美味いじゃん
美味いじゃん。
パインバーグディッシュ美味いじゃん。
なんだよこれ。こんな美味いものがあったのかよ。なんで誰も教えてくれなかったんだよ。
ズルいぞ!自分だけのものにしようと思っていたな。ズルいズルいズルい!
けど僕ももう知っちゃったもんね。パインバーグディッシュの美味しさを
この世には二種類の人間がいる。
パインバーグデッシュの味を知っている人間と知らない人間。
僕は前者となった。後者だった自分が遠い過去の様に思える。
一口食べてから箸が止まらなくなった。
パインの甘酸っぱさがハンバーグの味と肉汁、そしてソースが合わさってライスが進む。
途中でサラダで口の中を一度元の世界を戻してもう一度パインバーグの世界に入り込む。
パインバーグディッシュ、美味いじゃん。
しかし、美味いだけではない。これをどう説明しようか。
難しい。これは食べた人間にしか分からない。食べた僕だから今言えることは
これが世界の秘密ってやつか
パインバーグディッシュの味を知る人は少ない。
それは何故か。世界がパインバーグディッシュを隠していたからだ。
メニューには載っているけど頼む人は少ない。パイナップルとハンバーグという組み合わせをあえてメニューに出すことで人々を世界の秘密から遠ざけようとしていたのだ。
だけどこれは陰謀でもなんでもない。ただ、世界とびっくりドンキーが秘密にしていただけだ。
我々が子どもの頃の恥ずかしい思い出を誰にも教えないのと同じように
気づいたらハンバーグを食べ終えていた。
残ったのはパイナップルだけ。
これを食べれば完食。僕は最後のパイナップルを食べた。
美味しい。最後にパイナップルを食べたら口直しになるかなと思ったけどそうでもなかった。
足りない。パイナップルの近くにはいつも何かがあったような気がした。
たった今作られた記憶が子どもの頃からあった記憶の様に置き換えられた。
今なら堂々と言える。
やっぱりハンバーグはパイナップルが必要だな。
ごちそうさまでした。
実はポテサラバケットディッシュも食べたことないんだよね。