
ディズニーアニメ「ムーラン」が良い。
子どもと「ムーラン」にハマっている。1998年公開のアニメ版の方。
正直あまり見た目に魅力を感じなくて、今まで見たことがなかったんだけど、ディズニープリンセスの中で一番好きかもしれない。
特に主題歌の「リフレクション」が良い。
「娘は良い家に嫁ぐことによって家族に名誉をもたらす」という価値観が悪気なくナチュラルに信じられている社会で、ムーランはいまいち「良いお嫁さん」になれなさそうな自分を感じている。
実際に仲人さんとの面談で大失敗してしまい、群衆の前で「家の恥さらし!!!」と叫ばれ、お母さんもお父さんもがっくり。
水面や先祖の墓石に映る、きれいに着飾った自分を見ながら「いつの日か、本当の私が映ることがあるのかな…」と歌っている。
着物のメイク落とし効果がはんぱないのでぜひ見てほしい。
この後ムーランは、弱った父に代わって男装して従軍し、国を救う英雄になる(たぶんディズニー史上最初で最後の”人を殺めたことがある”プリンセス。大軍をほぼ皆殺しにしている)。
このあらすじだと、ムーランを古いジェンダーロールに抗う「強い女性」として描いても良さそうなところだけど、ムーランは自分に自信がないタイプなところが逆に良い。親の目や世間の目を気にしていて、理想の妻、娘になれない自分を悲しく思っている。
序盤では「女らしさ」を求められたムーランは、軍隊に入ったら「男らしさ」を求められ、そのどちらにも馴染めなくて困惑する姿が描かれている。
最終的には、花嫁姿でも、軍人姿でもない、自分の姿で、誰もが認める業績を残す。
最後は家に帰って、しかも軍隊の隊長と結婚しそうな雰囲気で終わるので、結局男と結ばれるんかーい、とか、伝統的な家族観に囚われている!的な批判もあったようだけど、そんなのムーランの自由じゃん、いいじゃん、と思う。
ムーランは出世欲や名誉欲に惑わされず、自分の幸せを選んだんだ、ともいえる。
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