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「上野山内月のまつ」−惚れ込んだ松とその奥の馴染みの景色−『名所江戸百景』

今日はやっとTBSで放送されている『DCU』が二週間ぶりにみることができます!
阿部寛ファンだと最近気づいたので(ドラゴン桜は見てません、、。)毎週楽しみにしていたのですが、オリンピックでお休み。
前回かなりショッキングな終わり方をしたので今回が気になって仕方ないのです。

そんなドラマを楽しみにしている今日も広重
今回は『名所江戸百景』「上野山内月のまつ」です。

はい!前々回上野不忍池観音堂を見た時に一番気になっちゃったモチーフでした。非常に有名な絵ですね。
これを月の松と呼びました。形が満月を想起させるからそう呼ばれたそうです。

円の中からも町の様子が見られます。
敢えて画面下部に円を持ってくることで地上に立っている人の目線に合わせて描かれているのでしょうね。

右下の松の先端に伸びる先にある赤いお堂は弁財天が祀られている聖天です。
ということはここは中島ですね。

画面左に赤ピンが集結しているところに聖天島(不忍池弁才堂)というピンがありますね。
以前見た時はその東にあった清水観音堂をみましたね。その時にはほとんど正面に月の松がありました。
だから、、この絵は清水観音堂の南西に動物園通りと書いてあるところから真っ直ぐに西を見ているような画角でしょう。

月の松は、江戸時代の植木職人の技の粋を凝らして作り上げた造形と見られていますが、新たに復元された月の松も、現代の造園技術を駆使して造形されました。訪れた人々は気付かずに通り過ぎていますが、境内の端には控えのための小振りの月の松も植えられています。

この円形はやはり人工ものですよね。流石にあれが自然物だったらもっと歴史的に持ち上げられていいほどですよね。笑

こちらが現在の月の松
舞台の下部に配置されているそうです。

この月の松を描いた他の浮世絵を調べてもこの絵か以前調べたものしか出てきませんでした。

このスポットは広重だけが惚れ込んだモチーフだったのでしょう。

この円の奥に見える景色に着目しましょう。
不忍池の観音堂側の対岸には今の本郷東京大学がある場所ですので文京区にあたります。
そこはかつて武家屋敷が広がっていました。

大江戸今昔めぐりというアプリに頼ってそれを実証してみます。私の力量でできるかな?笑

不忍池の西の地理をスクショしました。
ちょうどピンクで桜の花のマークのようなものがあるところが武家屋敷かな?
逆さまに描かれていますが「越中富山藩(富山)松平大蔵大輔利声」と記された敷地があります。
江戸には地方の武家屋敷が至る所にあったことを霞ヶ関エリアでやったのを思い出しました。
その下にも越後高田藩の敷地がありますのでこのあたりも武家屋敷林立エリアだったのでしょう。

絵の円の中に見える一つだけ高い建物が火の見櫓です。
広重は火消しの家に生まれたので、馴染みや親しみやすさをそこに重ねて描いた心情を感じられます。

松に生えている苔の質感が伝わってくるような生命力を感じる松とその風景でした。

今日はここまで!

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