薬局をうまく利用して欲しい。説明書どおりに飲んでるだけでほんとに大丈夫?
「先生に説明聞いたからわかってるよ」
「どうして検査値聞くの?」
「あなたに体調を話したら何か変わるんですか?」
ときにこんな心無い言葉をかけられる薬剤師もいます。
特に街の薬局の薬剤師は、薬を袋に詰めて渡すだけ(袋詰め薬剤師)と思っている人も少なからずいると思います。
しかし、本当に先生の話を聞くだけで薬の飲み方がわかるのでしょうか?
渡された説明書どおりに薬を飲んでいるだけできちんと効果が100%出るのでしょうか?
答えはNO!です。
少し一般的な風邪薬を例にして、その答えの理由を説明していきたいと思います。
風邪の処方
(総)PL配合顆粒 1回1包
(咳)アストミン錠 1回1錠
(痰)カルボシステイン錠 1回1錠
1日3回 毎食後
(鼻)フェキソフェナジン錠60mg 1回1錠
1日2回 朝夕食後
(漢)葛根湯 1回1包
1日3回 毎食前
カロナール錠300mg 1回2錠
発熱・疼痛時
例えばこんな処方があったとします。
総合の風邪薬と、咳(せき)、痰(たん)、鼻(はな)の薬に漢方薬、そして発熱したときの熱冷ましが出ています。
この風邪薬の中だけでもきっと色んな疑問があとから湧いてくると思います。ただ薬をもらって家に帰って飲もうとしたときに疑問が出てくる人も結構います。
・咳止めは咳がおさまったらのまなくてもいいのか?
・かぜの症状がおさまったらやめてもいいですか?
・葛根湯は食前になっているけど、食前っていつ?飲み忘れて食後に飲んだらだめなの?
・鼻の薬は眠くなるのかな?
・熱さましはどれくらい間隔をあけて飲めばいいの?1日に何回くらい飲めるんだろう?
たったこれだけの処方の中でもこういった疑問点があとから必ず出てきます。
これがもし慢性疾患(高血圧、高脂血症、糖尿病、心臓の病気、精神的な病気等)の薬の場合はもっと疑問点が出るはずなんです。
まずは、この疑問点に対するわたしの答えを載せておきます。
・咳止めは、咳症状を抑えるものですし、即効性もあるので咳がおさまってきたら咳が出る時のみの服用でも構わないです。
・かぜの症状を緩和するために処方されているものですので、中耳炎、副鼻腔炎といった症状がなければ、症状にあわせて服用してください。
・食前とは、食事の30分前のことを言います。食前や空腹のときの方が吸収がいいと言われてますが、忘れたら食後でもかまいません。一部含まれている生薬の成分で食後の方が吸収がよくなる成分も含まれていますが、胃腸の調子が変わらなければ問題ないです
・PL配合顆粒に含まれている鼻水を抑える薬を服用している間は眠気が強くでる可能性があるので、運転などは控えてください。フェキソフェナジン錠も鼻水をおさえる薬ですが、眠気は出にくいと言われています。
・熱冷ましは原則4~6時間あけて服用することとされているので、1日3回くらいまでの服用が目安です。どうしても熱が下がらない場合には間に1回くらいの追加服用は可能かと思います。
ここまでは一般的な話。
この他にも、PL配合顆粒は、便秘や口の乾きといった症状を起こさせる作用(抗コリン作用)というものがあって、この作用があることで、緑内障の患者さんや前立腺肥大症の患者さんでは投与禁止とされています。
これを確認するために、一緒に飲んでいる薬やその方のほかの病気の聞き取りもしなくてはいけません。
何が言いたいのか?
病院で処方されるお薬は、「医療用医薬品」といって市販されている一般用医薬品(OTC医薬品)とは区別されています。
「医療用」と言われるからには、それなりに効果がある反面、副作用も当然あります。
そして肝臓で代謝されたり、腎臓から排泄されたり、身体に吸収されて体の中をめぐる過程で、薬同士ぶつかりあうこともあります(薬ののみあわせ)。
そして、1日3回の薬が飲めていないなら、1日1回、2回に減らせる薬もあります。
こういった【効果】【副作用】【相互作用(くすりの飲み合わせ)】【服用状況(余ってる薬)】などいくつかの事を確認するために、体の状態や検査数値などを確認しています。
もしかしたら、99%くらいそのまま渡しても問題ないのかもしれません。でももし1%でも薬を飲む人にとって不利益が生じるとしたら.....
それがもし命取りになるようなものであったとしたら.....
薬を受け取る人がそう考えてくれるようになると、薬剤師&患者さん双方にとって有意義に時間になっていくのではないかと思っています。
さいごまでお読み頂きありがとうございます。
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