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097 『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』、第5話「それぞれの決意」、感想

 第3話で政近くんとアーリャさんの関係の所以、時系列で第1話以前の話しが語られ、前回の第4話はふたたびアーリャさんが政近くんに助けてもらった回でした。そしての今回、話しの流れから言えば自然ですが、政近くんが本当に生徒会に入るとは意外でした。第1話で私が見当を付けた、政近くんとアーリャさんの微笑ましい関係を見守るアニメと言う先入観を改めなくてはならなくなりました。
 もちろん初回でアーリャさん以下、3人の美少女が生徒会に入っていたり、政近くん自身も中学の頃は生徒会に入っていたという情報はありました。でもあまりいい思い出がないような応答だったので、友達付き合いやいざとなれば手助けはするものの、生徒会とは付かず離れずの態度を保つものと思ってました。それが今回の最後の場面、アーリャさんと一緒に入った生徒会室で、庶務として正式に生徒会に入ると自己紹介。
 とするとあまり例がない青春マンガ、アニメと言える。一旦学園生活を脇に置いた『ヤマノススメ』も従来の青春物を踏襲し、主人公は活動して成長した。クラスでの人間関係を排除し、徹底して野クルの活動と実際のキャンプに注力した『ゆるキャン△』は、ソロキャンでもグルキャンでも、一人ひとりの大切な思い出になったはず。つまり青春マンガ、アニメの代表である『タッチ』を筆頭に、これまでの青春物は劇中人物が振り返った時、記憶に刻まれるほどの物語になってる。
 しかし生徒会の活動は前回の部活動間の仲裁案件にみられるように、細々として日常的過ぎる。それらはいちいち記録や日記を付けてないと、すぐに次の問題に上書きされ、グループ、バンドとしての生徒会を物語ることは叶わない。しかしどうやらロシデレ(noteの本文中では「ロシデレ」を通します)、そんな裏方としての生徒会活動を(断片的であれ)物語るみたい。なるほどと、学園物にもまだ新しい切り口があると、感心して驚いたのでした。
 また今回はハーレムものとしてのロシデレがより明確になった回でもありますが、一人ひとりの美少女(まさに美少女動物園!)の政近くんへの態度がそれぞれ屈折してるので、ハーレム状態を嫌味なく観ることが出来てます。押しかけ女房の周防さんは久世(政近)くんの部屋を出た後に独り言ちするし、アーリャさんの政近くんへの態度は恋する少女そのものだし、マーシャさんは政近くんと妹のアーリャを微笑ましく見ているし。
 これらの関係が生徒会活動により/を通してどう変わっていくか。久世くんの下の名前が示しているように、生徒会は教職員の意見をバックにした政治活動、権力の行使にもなり得る。その学生との敵対を原作のロシデレが扱ってるか不明ですが、教職員と学生一般との板挟み程度なら、それでアーリャさんはもちろん政近くんも苦境に立たされる展開なら、十分あり得ると思ってて。
 それから、今回は周防さん、アーリャさん、マーシャさんの色っぽい姿に悶々とする政近くんを見れて面白かったです。これまではアーリャさんにとってのヒーローの面が強調されてたので、やっぱりスケベな男の子と言う点に、親近感を覚えたのでした。

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