067 2024年春アニメ、終盤前評価
キャラデザが正統派美少女の点では私の好みから外れるのですが、不穏なドラマという点で私の好みです。今季が終わったら第一期から見直そうと思ってます。
もう(作劇的に)何をやっても私は許します。結局何がテーマなのか、それがどう奇天烈な世界観に表現されるか、結末が楽しみです。
物語の(大)嘘は「賢狼ホロ」だけで、その世界観は貨幣経済の黎明期。アニメにも経済の話があって欲しいと考える私の正に好みの物語。
多分アイザック・アシモフのファウンデーション・シリーズのアンチテーゼ。常勝の天才、不敗の魔術師をもってしても、構成要員が膨大なシステムを上手く稼働させるのは無理と言うお話。だから絶対的な悲劇が起こってしまうと。つまり庶民、愚民、敗れた者の嫉妬や怨念、屈辱の思いは恐ろしいということ。
深く考えないで観れる枠として視聴してます。
以前のゆるキャン△論のnoteは間違ってないと確認してます。今季分、私が見逃してるすべてのシリーズを加えても、ドラマの無さは随一のはず。それでも面白く観れるのは背景美術、そしてキャンプに行くまでの道のり、キャンプ飯を(作り方を含めて)丁寧に書いてるからで。
正に孤高のアニメです。
今期の私のドラマとしてのアニメ枠、つまりゆるキャン△以外で一押しのアニメです。私も一話ごとのnoteをしたくなり、三話から推し記事を書いているほど好きになってます。
それはやっぱり井芹仁菜という主人公が気に入ったからで。この少女の設定には今の日本社会の問題、欠点が集約されてるから。
そて少しずつ人物の過去を暴いていく構成も素晴らしい。かなり計算されたドラマツルギーがありますが、それが単なる段取りになっていず、ちゃんと人物の感情、行動に乗った説明になってるのが驚き。
実は銀英伝とテーマが似てると思ってて。つまり各自が感情と記憶を持っている生き物のため、制御不能な事態が起こり得るということ。
私はどうも不穏な話が好みみたいで、第一話の衝撃から各自が集ってくる展開は面白かったです。でもそれ以後は結構仲良しクラブになってて、(それが好みのファンには申し訳ないのですが)記憶に残る一本になるかどうか。