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129『菜なれ花なれ』、第10話「Go Fight Win」

 あくまでゆっくり、かなたたちの青春を物語る「なれなれ」。今回も一足飛びに時間を飛ばすことはせず、最初は前回の直後、涼葉と詩音ペアの帰り道。そして翌朝、改めて結束したPoMPoMsの六人、いつもの通りの恵深ちゃんの部屋でのミーティングと言う名のおしゃべりの会で、杏那ちゃんはお届けチアの動画配信を止めることを提案。具体的な心境の移り変わりは示されていないが、前回の小雨振る夜の恵深ちゃんのジャンプが理由とは示される。多分杏那ちゃん、本物の応援は宣伝しなくてもいいと、かなたちゃんが一人で突っ走って応援したのもそれが理由の一つと思いついたのでしょう。理屈で自分の思い至らなさがあったと気付く杏那ちゃん、本当に気の付くいい女の子。以上がアバンでOPへ。
 ラクロス、レガッタ、ビーチボールの後、恵深ちゃんの家での一休みを挟み、夏休み最終日、その前日の宿題応援チアでお届けチアの終了を恵深ちゃんが宣言。そして六人、それぞれの二学期からの方向を共有。一人涼葉ちゃんだけはそれについて発言しなかった。
 お届けチアは終わってもPoMPoMsの活動は終わるわけでなく、杏那ちゃんの親戚のために動画を作ったり、朝の応援、穏花ちゃんのおばあちゃん、病院や市のイベントにも出演し、PoMPoMsの知名度は着実に上がってることがかなたちゃんと恵深ちゃんの話しから明かされる。
 そしてかなたちゃんはカウンセラーの「次の段階に進んでみようか」という励ましと許しを得て、チア部へ復帰へ。まだ飛べないけど「焦るばかりの私を支えてくれたいろんな人に恩返しがしたい」と言う思いから。
 そしてチア部復帰の初仕事はBチームのサブ(コーチ)だけど、かなたちゃんの天才肌の言語表現を他人が理解するのは至難の業。そこでかなたちゃんは幻聴を聴くのですが、チア部の練習に入ってからのかなたちゃん、度々不安げに周囲を見渡す。
 それが視聴者に示されたのは帰りがけ、かなたちゃんは伊沢野先輩に毬先輩は?、と訊いた。「あいつは止めた」。その返答にかなたちゃんは納得できない。面倒見がよく、かなたちゃんも良くしてもらった思い出がたくさんある毬先輩、しかし図書館で会った時、かなたちゃんにとっては辛い一言を聞いてしまう。
 こうして要点を並べると内容盛りだくさんですが性急さは感じられず、意外に心地いいテンポ感でした。しかし希望と平穏と充実で満たされた後の、最後の一分足らずでのどんでん返し。作り手も意地が悪い。どうしても次が気になる終わり方でした。

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