108『負けヒロインが多すぎる!』、第6話「振られたことのない者だけが、負けヒロインに石を投げなさい」、感想
今回のマケインのサブタイの元ネタ、今月再放送の『100分de名著』の新約聖書、しかもまさに今週、第三回で扱ってたのはタイミング良すぎ。大いに笑わせてもらいました。
さて今回のアバンは前回の続き、豊橋駅前での温水くんと綾野くんの会話。なのだけど、千早ちゃんの彼氏の綾野くん、鈍感と言われる理由が短い秒数で明示されてます。
そして綾野くんは温水くんの恋を応援するためと思って、千早ちゃん、焼塩さん、杏菜さんと連れ立ってデートに誘う。場所は豊橋市地下資源館。凡そ一般的なデートでは候補にならなそうな場所で、実際杏菜さんは温水くんに向かって不満爆発。それに対して千早ちゃんは雲母にコンデンサの数を想像し、焼塩さんは展示しているトロッコにはしゃぐ。
そしてのどかな館内の場面、カットが続いた後、館内にあるプラネタリウムに入る場面になる。そこで誰が誰と一緒に入るか、微笑ましくもある問題が出てきた。しかし綾野さんが彼女である千早ちゃんと一緒に、焼塩さんと一緒に観たいと言い出したことで、問題がこじれてくる。焼塩さんは秘かに想ってる綾野さんのため、千早ちゃんと一緒にしてあげたかったけど、その想いに綾野は気づいてないもんだから。
そして第3話で告白前に失恋した形の焼塩さん、今回無自覚に、しかも二人きりでない場面で告ってしまう。しかも追い打ちをかけるような確認を綾野さん自身がしてしまう。当然焼塩さんはいたたまれなくなり、その場から走って逃げる。ここに至って漸く綾野さんは自分の馬鹿さ加減に気づき追おうとするが、千早ちゃんが引き止める。
代わりに追ってあげたのが温水くん。そしてバス停で待っているところを見つけ、しばしの会話になる。そこで焼塩さんは一つの物語、めでたしめでたしで終わるお話しを披露する。それはまさに焼塩さんの今の心を慰める話。リアルでは嘘と分かっていても、お話しではハッピーエンドにしたいという思いが溢れた、痛々しいものでした。ここまで真面目に誠実に、悲劇を物語るとは思っても見ませんでした。
そしてここまでが前半。後半は傷心の焼塩さんがどうなったか、結局おばあちゃんの家にいると分かり、杏奈さん、小鞠ちゃん、月之木古都さん、そして温水くんと押しかける話し。そこで見たのは論理的に考えれば痛々しいけど、悲しいそぶりを見せないいつもの元気な陸上部の焼塩さん。正直、今回のこともあり杏奈さんよりも、小鞠ちゃんを含めた三人の負けヒロインの中では一番好きです。その健気さ、友だち思い、「好きな人のため」に、やられました。
それに対して杏菜さん、第4話では堂々と(負け)ヒロインっぷりを見せてくれたのに、今回は徹底して焼塩さんの引き立て役。その脇役っぷりに大いに笑わせてもらいました。