安全基準、安全審査ではない(逢坂誠二の徒然日記)
【24年12月10日 『逢坂誠二の徒然日記』8014回】
夜明け前の都内、多少雲が多めですが晴れ、4度程度です。日中も晴れ、13度になる見込みです。昨夜帰宅時には、上弦の月が冷たい空に浮かんでいました。
1)安全基準、安全審査ではない
東北電力の女川原発2号機が再稼働しました。島根原発2号機も7日から再稼働しています。これらについて思うことが色々とありますが、完全に安全神話に戻った印象です。
原子力規制委員会の審査は、安全審査ではありません。一定の規制基準に適合するかどうかの審査です。この審査基準も安全基準ではありません。
しかし日本経済新聞は、「規制委員会は、安全審査の合格を正式に決めた」(2021年9月15日)と報ずるなど、一部マスコミは安全を強調したがっている印象を受けます。
この件に関しては、2013年4月3日の原子力規制委員会で議論されています。
田中委員長「今まで「安全基準」という言葉を使ってきたんだけれども「規制基準」のほうが適当かもしれない」
更田委員「「規制基準」といったところが、おそらく日本語の用語としては、ふさわしいのではないか」
田中委員長「「安全基準」というと、基準さえ満たせば安全であるという誤解を呼ぶ」「今後は「規制基準」ということで、私どもの文章も統一していきたいと思うんですが、よろしいでしょうか」
大島委員「「規制基準」で私も結構だろうと思います」「基準を決めれば、それが安全を確保するということではなくて、言わばミニマムの基準」
また2022年12月8日の衆院原子力特別委員会で政府参考人が「安全審査ではなく適合性審査という言葉を使っております」と答弁をしています。
つまり今の規制委員会の基準は安全基準ではなく「規制基準」、審査は安全審査ではなく「適合性審査」なのです。
細かいことにように思われるかもしれませんが、こうした用語使いをキチンとすることが安全神話に陥らないポイントなのです。昨年4月19日の委員会で、私がこの問題を取り上げましたが、その後も安全審査や安全基準という用語が流布しているのは怖いことです。
【24年12月10日 その6317『逢坂誠二の徒然日記』8014回】
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