見出し画像

三角形、宇宙の理

河川敷で犬の散歩を見た。河川敷ほど犬の散歩がしっくりくる場所はない。風景としてバチっとハマる。これはここにあるべきだ、という感じがする。河川敷や犬の散歩がこの世に誕生する前からこうなることはもう決まっていたかのような。そんな運命的なものを感じる。

犬は芝犬で、連れているのは高齢の男性だった。男性は首元がだるんだるんに伸びた限りなく肌着寄りのTシャツを着て、詳細不明のメッシュキャップをかぶっていた。犬を散歩させている高齢男性ほど詳細不明のメッシュキャップがしっくりくる人もいない。こちらもバチっとハマっていて、まるで高齢男性やメッシュキャップがこの世に存在する遥か前からこうなることが決まっているようであった。

河川敷と高齢男性とメッシュキャップ。それらが描く三角形の中に、宇宙の理があるのかもしれない。

ないのかもしれない。

サポートって、嬉しいものですね!