スイスの公共放送Swiss Broadcasting Corporation SRG SSRの一部門であるSWI swissinfo.chの電子版で2024年7月21日に配信されたニュース動画記事の見出しで使われていました。
radicaliseを辞書で引くと
とあります。
radicalの動詞型ですね。
radicalを辞書で引くと、次のように結構たくさんの意味が書かれています。
このradical、意味の広がりを見渡すと、「根」から始まり、さまざまに意味が派生しています。面白い!
今回の記事の文脈では、形容詞の3aのうちの後半、「〈政治思想などが〉急進的な,過激な」の意味合いで捉えるのが良さそうです。「穏健な:moderate」の逆ですね。
「はて?」スイスの若者の思想が「過激化」とはどういうことか?
と思ってリード文を読むと、
とあり、「過激」の中身は、「排他的;異論を許容しない」だとわかります。
「はて?」ここでの異論とは?
さらに、本文へと読み進めると、次のような内容が書かれています。
つまり、
<自分たちとは違う属性を持つ集団への嫌悪・反感を持つ若者が急増している>
ということでした。
さて、
今回もう一つ取り上げたい語があります。-phobicです。
この語、英和辞書では
とされていますが、
英英辞書では、英和辞書とは違って、
と、強く、踏み込んだ意味が書かれています。
次のように、嫌悪や憎悪の対象を前につけて使われます。
xenophobic:外国人への嫌悪・憎悪を持つ(人)
homophobic:同性愛者への〜
Islamophobic:イスラム教信者への〜
Russophobic:ロシア(人)への〜
なお、
anti-Semiticは、言葉の作り方は違いますが同様の言葉で、「ユダヤ人に反感を持つ(人)」、
arachnophobiaは、「クモ恐怖症」です。英和辞書に出ていたのはこの使い方です。
そして、一文字違いですが、-phobiaは「〜への嫌悪・恐れ」という名詞形です。
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疫病や戦争の影響で、あるグループの人々への嫌悪感・憎悪をもつスイスの若者が増えたことが数字で示された、ということでした。
AIDSが流行った時、新型コロナがクルーズ船の乗客で見つかった時、ロシアのウクライナへの侵攻以降、同性愛者・訪日外国人・ロシア人への漠然とした嫌悪感が生まれるのを自分も感じました。
気をつけないといけません。