conscription age=徴兵年齢 | 教科書に出てこないニュース英語 《ウクライナ・軍事支援》
カタールの衛星テレビ局 Al Jazeeraのウェブサイトで2024年11月28日に配信された記事の見出しで使われていました。
見出しとリード文から分かるように、アメリカの高官がウクライナに対して徴兵年齢の引き下げを求めたという内容です。
まず、この'conscription'という単語から見てみましょう。
◾️conscriptionを辞書でひくと
徴兵の他に徴用という意味もありました。この記事ではageが続いているので「徴兵」です。
語源辞典には次の説明がありました。
つまり、
「リストに加えて記録する」→「兵士を募集する」→「(強制的に)徴兵する+徴用する」、の順に意味が発展してきたようです。
なお、
見出し全体は、
Ukraine urged to lower conscription age to 18; US to send Kyiv more weapons
となっていますが、見出し特有の省略が見られます。お分かりになりますか?
通常であれば、
Ukraine is being urged to lower conscription age to 18; US is to send Kyiv more weapons
と書かれる英文です。
太字にした部分が省略されています。見出しでは、述語部分のbe動詞は省略されます。
また、見出しでは過去のことでも現在形で書くため、この例のurgedのように、-edがついていれば過去形ではなく過去分詞形です。
落ち着いて読めば明白ですが、念の為書き添えると、
この文のlowerはlowの比較級ではなくて、lowから派生した動詞で「下げる」という意味です。
◾️徴兵年齢引き下げ要求の具体的な内容と背景
記事の内容を要約すると、
つまり、
日本のメディアでは報道されていないように思うのですが、
軍事支援の条件として徴兵年齢を18まで下げるよう求める米国バイデン政権が、
それは受け入れられないとするウクライナに圧力をかけている状況
ということでした。
ロシアが陸続きに隣接するヨーロッパ諸国とは違い、ロシアを圧倒する力もあり直接の脅威もないアメリカはこういうことができるのでしょう。
バイデン政権でさえこうであるのですから、アメリカ・ファーストを掲げる次期政権下ではウクライナはさらにこういった圧力を受けることが予想されます。武器を求めるのならそれが無駄にならないように兵士を補充せよ、と。
仮に日本が同じような窮地に陥った場合に、他国の政府に期待できるのはどこまでのことなのか。それが見えてきます。