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conscription age=徴兵年齢 | 教科書に出てこないニュース英語 《ウクライナ・軍事支援》

カタールの衛星テレビ局 Al Jazeeraのウェブサイトで2024年11月28日に配信された記事の見出しで使われていました。

Ukraine urged to lower conscription age to 18; US to send Kyiv more weapons

Kyiv is not mobilising or training enough new soldiers, a senior US official says, as Russia makes major advances in Ukraine.
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ウクライナに徴兵年齢を18歳に引き下げるよう要請、米国はキーウにさらなる武器を供与へ

キーウ(ウクライナ政府)は、新しい兵士を十分に動員したり訓練したりしていないと、アメリカの高官が指摘。ロシアがウクライナで大きな進展を遂げている中での発言。

見出しとリード文から分かるように、アメリカの高官がウクライナに対して徴兵年齢の引き下げを求めたという内容です。

まず、この'conscription'という単語から見てみましょう。


◾️conscriptionを辞書でひくと

conscription [ kənskrípʃən ] 社会人必須レベル
[名]U
1 徴兵(制度)(draft)
     enforce [escape] conscription 徴兵を行う[免れる]
2 (戦時中の)強制徴収,徴発,徴用

goo辞書 |  小学館 プログレッシブ英和中辞典

徴兵の他に徴用という意味もありました。この記事ではageが続いているので「徴兵」です。

語源辞典には次の説明がありました。

・con(=together)+scribe(=write)という成り立ち。
・14世紀後半に「書き記すこと、文書による記録」という意味で使用され始めた。
・「兵士の募集」を意味する用法は1520年代に現れた。
・「適した者をくじ引きや選抜で強制的に登録する」徴兵制度としての意味は1800年に確立した。この概念は、1798年9月5日に制定されたフランス共和国の法律に起源を持つ。

https://www.etymonline.com/search?q=conscription

つまり、
「リストに加えて記録する」→「兵士を募集する」→「(強制的に)徴兵する+徴用する」、の順に意味が発展してきたようです。


なお、
見出し全体は、
Ukraine urged to lower conscription age to 18; US to send Kyiv more weapons
となっていますが、見出し特有の省略が見られます。お分かりになりますか?

通常であれば、
Ukraine is being urged to lower conscription age to 18; US is to send Kyiv more weapons
と書かれる英文です。

太字にした部分が省略されています。見出しでは、述語部分のbe動詞は省略されます。
また、見出しでは過去のことでも現在形で書くため、この例のurgedのように、-edがついていれば過去形ではなく過去分詞形です。

落ち着いて読めば明白ですが、念の為書き添えると、
この文のlowerはlowの比較級ではなくて、lowから派生した動詞で「下げる」という意味です。


◾️徴兵年齢引き下げ要求の具体的な内容と背景

記事の内容を要約すると、

・アメリカ高官匿名で、ウクライナが戦死者を補うために十分な新兵を動員または訓練できていないとして、現在25歳となっている徴兵年齢を18歳に引き下げることを検討すべきだと述べた。

・バイデン大統領が1月に退任する前にキーウを支援するための新たな武器供与パッケージ(7億2500万ドル)を準備しているが、新たな兵士を補充する仕組みがなければ、最前線で戦っている現在の部隊は、休息、補給、訓練、再装備のために後方に下がることができないとの考えだ。

・一方で、ゼレンスキー大統領の事務所の情報筋は、ウクライナには現存する兵士を装備するための資源が不足している。ウクライナ政府としては兵器支援の遅れを、現在の兵士やさらに年齢の低い兵士たちの命で埋め合わせるつもりはない、と述べている。

・兵役義務の年齢はすでにロシア侵攻後の戒厳令により27歳から25歳に引き下げられているのだが、これをさらに引き下げることを求めるものだ。

つまり、

日本のメディアでは報道されていないように思うのですが、
軍事支援の条件として徴兵年齢を18まで下げるよう求める米国バイデン政権が、
それは受け入れられないとするウクライナに圧力をかけている状況

ということでした。


ロシアが陸続きに隣接するヨーロッパ諸国とは違い、ロシアを圧倒する力もあり直接の脅威もないアメリカはこういうことができるのでしょう。

バイデン政権でさえこうであるのですから、アメリカ・ファーストを掲げる次期政権下ではウクライナはさらにこういった圧力を受けることが予想されます。武器を求めるのならそれが無駄にならないように兵士を補充せよ、と。

仮に日本が同じような窮地に陥った場合に、他国の政府に期待できるのはどこまでのことなのか。それが見えてきます。

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オオニシ チヒロ
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