見出し画像

コミュニティと多様性。


はじめに

だんだん春らしい天気になってきました。寒いとパフォーマンスが上がらないので嬉しいです。転機を迎える方も多い季節。今回、この本を読みました。

引用しながら、自分の仕事などにも絡めてつらつらと書きます。

ウチとソト

コミュニティにはウチとソトがある。日本のボランティアはウチでの活動が中心ということ。たとえば、自治体や町内会などのコミュニティがあります。自分は助けを求めやすい!と思っている人を分解してみると、実は「知り合い(ウチ)」に助けを求めていて、全く知らない人には実は助けを求めにくいのでは?といったことが書かれています。頻繁に接触する人ほど、日常的な簡単な助けを求める先となっていました。なぜそうなるのか、人は、何か助けてもらえるとそれが申し訳ないと思うことがあり、心理的な負債が生じるようです。
震災ボランティアの話が取り上げられていました。ソトの人(全く知らない赤の他人)からの援助を受けると、居心地の悪さがでてくるのか 心理的負債が出てくる、なにか贈与をしないとと、家にあった何かを渡すことも。ソトからの援助は、貸しを返す機会がないためなぜだか後ろめたさもでてくるようです。恩送りのパターンもあるそう。そして、助けを求めにくい背景には、自分は助けてもらえるだけの価値があるという自己認識が必要でもあるようです。

人の助けを借りても自分で自分の生活を管理するというのが自律ではないかとも述べられていたかと思います。

仏教の教え

仏教では、絆はたちきるもの。代わりに、自分が動いて縁を作ることによって良い結果招くことができる 絆はしがらみであるという考えは仏教のおしえとのこと。玄好寺副住職の萩須真尚さんの言葉です。

他にも色々な研究を紹介されながらコミュニティについて述べられています。サードプレイスについても取り上げられています。

職場のコミュニティ

職場は個人・集団と組織として集まっています。部署ごとのコミュニティも
あれば、同僚とのコミュニティも。幸せな職場づくりや職場活性化、ウェルビーングなど色々試行錯誤をしている会社は多いと思います。日立製作所のハピネスプラネットなどツールも登場してきています。

そして、多様性、ダイバーシティが今はホットワードですが、多様性を認めるほど、大変なんです。面倒なことが増えるのは当たり前かなと思います。学校教育はみんな同じ時間に登校して、同じものを学ぶということがまだまだ多いと思いますが、これは多様性からはちょっと遠ざかっている気がしています。

ただ、

多様性はあったほうがいい、無知にならないためにも。エンパシー能力を鍛える

と書かれているのは、本の中でも紹介されていたこちらの本(まだ読み途中)

アルコール問題など職場での問題行動も、その人は「困った人」ではなくて、「困っている"課題"を持っている人」である。助けを求められない可能性もあるわけです。そこにいるキーマンなどがどう介入していくか。

職場の風土としてダイバーシティの推進は大事なのですが、助けを求めにくい日本人。組織の中で生きずらいことも。ぎりぎりまで我慢してSOSを求めてきた時は「もうちょっと早く言ってほしかったなぁ」と思うケースはいくつかあります。でも求めにくい心理があるのですよね。逆を言えばSOSを勇気をもって赤の他人に話してくれたことはとってもすごいこと。ねぎらうことと自分を守るためにも人を頼ることは躊躇しなくていいことだとフィードバックが必要なこともあるような気がします。

当事者とそうでないものとのコミュニケーションの中にこそ、お互いの生きづらさを明らかにし、共有し、問題を解決していく道筋があり、促進する支援のありかたが必要

と本の中では書かれています。多様性で救われる人もいるとのこと。

幸せなコミュニティをつくるために

1:助けられる人が助ける コミュニティガーデンの考え方
2:贈与を交換にする  
3:ソトをウチにする。シェアハウス

こちらの詳細はぜひ本を読んでいただけると。支援における多様性をどのように確保するか。産業保健職の人数が多い組織だといろんな人がいますが、多様性をどうとらえていくか、バランス感覚が求められるなと思いました。

絆を越えた縁を新たに結ぶことができるためにどうしていくか
従業員への関わり方を考えされられる本でした。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?