![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/105963248/rectangle_large_type_2_4471b1746010ba9115dde352b7bd8409.png?width=1200)
オルタナティブな「逝き方」って?~従来の常識を超える新しい葬儀の形
オルタナティブは「既存物や主流の代わりになる何か」という意味を持ちます。とくに日本では、当たり前になっている手法とは異なる、新しいものを提案する際に使われます。葬儀の場でオルタナティブを目指すとしたら、どんなものになるでしょうか。現代におけるさまざまな課題を乗り越える葬儀の形が、今求められています。
オルタナティブとは「主流になっているものに替わる」何か
オルタナティブとは「代替物」「代替案」という意味です。「代替品」というと、本来希望している品がないため仕方なく選ぶ品というイメージがありますが、多くの場合、オルタナティブはそのような意味で使われません。むしろ、「既存の手法、主流となっているものに取って代わる、新しい物事や提案」という意味を含んでいます。
主流となっている手法、既存手段では乗り越えられない何らかの課題があるとき、同じ効果をもたらし、かつ課題を解決できる新たな代替案を提示する。こんなときに、「オルタナティブな」という言葉が使われます。
オルタナティブの例
いくつかオルタナティブの例を挙げてみましょう。
オルタナティブメディスン
西洋医学を中心とした現代の医療行為に替わる、代替医療のことです。西洋医学は病気になったときに症状を抑えたり、病変部位を切り取ったりして治療をしますが、「病気になってから対処をするより、予防医学に力を入れた方がよいのでは」という考えに至ったとき、漢方や鍼灸、カイロプラクティックなどが代替医療の選択肢として有効になります。
オルタナティブミュージック
商業主義的な音楽とは一線を画した、流行にとらわれない、かつ前衛的な音楽表現のことです。オルタナロックも、オルタナティブミュージックの1つです。新しい音楽トレンドは、オルタナティブミュージックから生まれてくるもの。人気重視の音楽だけでは、音楽表現の多様性や発展性は生まれません。
オルタナティブなエネルギー
現在主流となっている燃料といえば石油ですが、石油は限りある資源です。そして、石油の燃焼によって生まれる温室効果ガスは、気候危機の大きな原因となっています。環境保護の観点から、太陽光発電や風力発電などの持続可能なエネルギーに転換をという声が高まっています。これはつまり、オルタナティブなエネルギーを選ぶということです。
オルタナティブ教育
これまでの常識で考えれば、教育は学校で与えられるもの。しかしそれでは、何らかの事情で学校に行くことができない子どもは教育の機会がなくなってしまいます。ホームスクーリングやフリースクールといったオルタナティブな教育手法をとりいれることで、よりたくさんの子どもたちに教育の機会が与えられます。
主流となっている葬儀の課題って?
それでは、葬儀におけるオルタナティブとは、どのようなものでしょうか。それを考えるためには、既存の葬儀、現在主流となっている葬儀について知る必要があります。現在の葬儀は、以下のような手法が主流になっています。抱える課題点とともに解説します。
葬儀社主導
昔は故人と縁ある人がみんな葬儀に参列する「一般葬」が主流でしたが、最近では親族が中心になって見送る「家族葬」が人気です。このように、規模に変化はあるものの、葬儀社主導で段取りが進んでいくところは変わっていません。葬儀のことに疎い遺族は、ほかでもない身内の最後の儀式なのに、段取りを葬儀社に丸投げするしかありません。
結果、葬儀社の提案を受け入れるうちに料金がかさんでいき、最終的な請求金額に顔を青くする人もいます。「全て葬儀社の案内どおりにやらなければならず、いったい誰の葬儀なのかと怒りをあらわにしてしまった」「手順に従うことに必死で、お別れの時間が満足に取れなかった」といった声も聞きます。
仏式葬儀が9割
葬儀の場では仏式葬儀が9割を占めます。残りの1割には、無宗教葬、キリスト教葬、神道の葬儀などが含まれます。この割合は、昔も今もあまり変わっていません。
ところが、無宗教で葬儀を行いたい人は年々増えてきています。「実家を出て独立したので、お付き合いのあるお寺がない」「お布施が負担で、どこかの檀家になりたくない」「宗教を信仰していないので、儀式は必要ない」といった理由が大半です。
無宗教葬を望んでいるのに、結局は仏式を選ぶ。それは、葬儀社自身が仏式葬儀ありきの式場づくり、式次第構成を行っていることも大きな原因ではないでしょうか。式場のパンフレットを見れば、祭壇の手前には大きな仏具が置いてあります。無宗教葬を選ぶ人があまりいないために、「無宗教葬をしたい」と希望した人に適した式次第を案内できない葬儀社も多々見られます。
とくに東京付近に絞れば、無宗教葬を選ぶ人が2割ほどになってきたという葬儀社もあります。無宗教の葬儀スタイルを望む人が増える中、無宗教葬に対応できる葬儀社の存在が望まれています。
葬儀専用式場で葬儀を行う
葬儀を行う場所はかつて自宅や公民館が中心でしたが、現代においては葬儀社などが所有する専用の式場で行うのがスタンダードになっています。するとどんなに小さな規模の葬儀でも、式場に備え付けの立派な祭壇、広い式場を使わざるを得ません。当然、葬儀料金は割高になります。
オルタナティブな葬儀を考えると、こうなる
上に挙げたような課題を解決する新しい葬儀の形を考えるなら、以下のような形になります。
葬儀社主導ではなく、遺族主体の葬儀へ
葬儀社に引っ張られ、あれよという間に終わってしまう葬儀ではなく、遺族が自らさまざまな葬祭品を選び、スケジュールについて希望を出し、故人らしさがふんだんに漂う葬儀空間を作り出せば、葬儀の満足度アップにつながります。そのためには、家族ができれば生前から葬儀について学ぶこと、安置から葬儀、火葬までたっぷり時間をとることが必要です。
仏式ありきではなく、宗教儀式を前提としないスタイルへ
祭壇の装飾も式次第の構成も、無宗教葬スタイルをベースにしたほうが、どのような宗教でも対応できるようになります。シンプルな装飾、シンプルな式次第を土台にすれば、仏式なら仏教色の強い装飾や仏具をプラスするだけでいいのです。
シンプルで小さな式場に、必要なものだけを置く
葬儀の規模は年々縮小しつつあります。コロナ禍でいっそう小規模化が早まりました。もはや家族総規模の式場であっても、かなり広い印象を受けてしまう葬儀は少なくありません。
実は、祭壇はたくさんの人が集まる場で「ここに向かってお祈りください」と示すためのものでもあります。たくさん人がいると、主役であるべき故人が眠っている棺が見えなくなってしまうためです。
小さな葬儀であれば、主役の棺を皆で囲んでお別れができます。祭壇は必要ありません。式場に初めから祭壇を設けるのではなく、必要に応じて祭壇をプラスする形式にすれば、遺族は式場費用を抑えることが可能になります。
ミニマルな葬儀が、今求められているオルタナティブ
よけいな物を削ぎ落とし、必要なものだけを選ぶ。そんなミニマルな葬儀が、今求められているオルタナティブなスタイルといえるでしょう。
「これはいらない」「これもいらない」と捨てていった先に残るものが、あなたと家族の葬儀にとってかけがえのない、大事なものなのです。
![](https://assets.st-note.com/img/1684480036118-30SQ0AiX9V.jpg?width=1200)
「オーマイソー」の葬儀で用意されるものは2つ。葬儀に絶対必要な「棺」と「遺体搬送車」です。
棺をどこへ置き、どこで葬儀をするかは遺族次第。以下のような選択肢から選べます。
故人を自宅にお連れして、自宅でそのまま葬儀をする。
安置施設にご案内して、安置施設の一室で葬儀をする。
自宅で安置した後に、火葬場併設の式場などへ移動する。
![](https://assets.st-note.com/img/1684480144636-XFwtWY2Yj9.png?width=1200)
装飾はいたってシンプル。遺族の希望により、宗教儀式のための葬祭品などを置くことも可能です。
「お葬式」と聞いて思い浮かべた風景の中で、「自分の葬儀には必要ない」と感じるものは何か?
それを考えることで、あなただけのオルタナティブな葬儀が完成します。