「あれはやるもんじゃない」は本当か?水平対向エンジンEJ20搭載、レガシィBL5のスパークプラグ交換
BL5(2.0R spec.B)も購入から丸三年。購入後10万キロを走行。プラグは買っておいたのだが『交換が大変』の下馬評に気持ちが上がらず、時間も作れずで、躊躇躊躇、ことあるごとに先延ばしにしてきた。この初夏、やんごとなき事情で急遽仙台まで夜走りしたときに5000rpm~6000rpmでの息つきを体感。おいしいところで吹け上りが明らかに遅く、勝負⁉にならない。エアフロを掃除し、エアクリーナーの緑のキノコを新品交換などしたが、当然おさまらない。やはり「疑うべきはプラグ」と結論付けた。先人達のYOUTUBEを片っ端から拝見し、行き当たりばったりで工具をそろえ、この度、プラグ交換に踏み切った。
台風が去り、雨が上がった。このチャンスにやるしかないと作業開始。で、もう何が大変ってこのエンジン、プラグにアプローチできる作業スペースが狭すぎる。レガシィの心臓部_EJ20(水平対向エンジン)は、エンジンの左右にピストンが外側に向かってボクシングのように運動をしている俗にいう「BOXERエンジン」で。そのピストンの上にプラグが火花を飛ばして爆発させるため、プラグも左右の外側から横にはまっている。
「EJ20」ができるまで THE MAKING OF EJ20 (youtube.com)
(この動画、ほんとに素晴らしい。でも見ないよね。きっと…)
まず左。バッテリー端子をマイナスから外す(大事)。バッテリーを降ろしたら、狭いスキマに見えるイグニッションコイルのボルトを12mmレンチで外す。これも狭いがなんとかいける。問題はこの先。購入した手回しのフレキのプラグレンチは全く役に立たない。もう一つは延長付けるとレンチが入るスキマがなく、プラグは回せない。結局、スタンダードなプラグレンチと延長1本、レンチで稼働域1.5cmの中で作業することに。全部緩めるとレンチが外れない。いったん全部緩めたら、レンチが外れるまで逆向きに締めて、レンチが外せる距離になったら、レンチのグリップを外し、手で押さえながらプライヤーでキコキコ回すという、アナログを駆使した作業になった。
プラグを付けるときは、この逆。手探りでプラグを優しく突っ込み、プラグレンチをはめてそっと回す。ネジ山がずれて張り切ったら大事になっちまう。探り探り作業。「歯の患部を見ないで患者の上からドリルで直す歯医者さんってこんな感じなんだろうな」そんなこと考えながら、指先の神経に集中して作業する。とにかく締め付けもレンチの稼働域との闘い。イグニッションコイルも知恵の輪みたいに考えながらじゃないと、プラグの入り口までたどり着けない。左が終わったら、バッテリーを付けてエンジン始動。「おお。ちゃんとエンジンがかかる!」これを確認し、今度は右へ。右はエアクリーナーを外し、狭い作業スペースをそれでも確保する。
あ、雨が降ってきた。でもやめるわけにはいかない。ブルーシートをボンネットにかけて、ボンネット内部は濡れないようにする。
左も右とおんなじ。とにかく狭い。レンチを下に落とし車の下にもぐる羽目にもなった。
終わってみれば合計3時間半の格闘。(豪雨休憩30minあり)ディーラーや整備工場はナイスな工具はお持ちでしょうが、にしてもこの作業、厄介ですね。整備性悪し。(ふつうの車なら30minで終わる作業です。)ただそこまでしてでも、車両の重心を下げるために水平対向を積んだ「走りに特化した車作りを追求した当時のSUBARUの開発陣」には、最大級の敬意を表します。
今回はデンソーが誇る!?「IRIDIUM POWER」を搭載。様子の確認は今夜、第三京浜で。
おまけ:当時のCM
2007 Subaru Legacy CM (youtube.com)