まぐろ、ロシア、アンダルシア、アジア、あめ、メダカ、かじきまぐろ。ちょっと考え事をしてる。
最近ふと思うことがある。
子供の頃、大好きだったものがそうでもなくなったり、時間を過ごすうちに興味のなかったものが好きになったり、そういう時ってなにが一番影響するんだろう。
単純に嗜好が変わったり、環境が変わったりって事なんだろうけれど、この間まであんまり気にしてなくて平気だった事が、どうにも無理になってしまう時って、なにがきっかけなんだろう。
食べ物だったらなんとなくわかる気もするんだけど、わかるって言ってもそう思う節があるっていうくらいで、それだって確かな事はわからない。
ピーマンが嫌いだったのにチンジャオロースはオーダーするようになったとか、トマトのゼリーみたいなところが死ぬほど気持ち悪くて食べられなかったのに、今じゃなんとも思わないし、どっちかっていうとガンガン食べれるとか、レバーなんてこれ食べたら多分死ぬっていうくらい嫌いだったのに、レバニラ最高ってなったり。
マグロもそうだ。子供の頃はあの赤い羊羹みたいな感じの物が、これって血なの?血の色なの?って思って、絶対食べなかった。お寿司を頼んだらエビとか卵とか食べて、生の魚は食べなかった。ゲロゲロ。
なのに大人になって築地のお寿司屋さんに取引先の社長と行った時「美味しいから食べてみたら?」って言われておずおず中トロを食べた時は、今までの人生で損したとしたらこれだなと思った。あっウニも。
いや、食べ物のことを言ってるんじゃなくて、人間のこと。
この間までは平気だったのに、なんだか腰が重いっていうか、正直なところその時間を使う気がしないっていうか、変な気分になってきたことがある。
もう20年近くの知り合いなんだけれど、仕事をしてる時はついでっていうか、ノリだったのかもしれないんだけど、病気になって時間も気持ちもセーブするようになってからは、年に2回会えばいいくらいの頻度になった。
誕生日とかにかこつけて美味しいものを食べに行ったりするのが好きだから、なぜか彼女のお誕生日に、食事に行くっていうのがなんとなくの流れって感じ。
人ってあさましいなあ。
お祝い事だからこんなこと考える自分がなんだかつまらないやつだなあと思うんだけど、彼女は年下で、説明が難しいけれど私より自分の方が弱い立場っていうのか、20代の頃から今まで同じスタンスで「私、あまり余裕ないんです」っぽい感じだったりする。
食事に行く時は私が誘うから、基本的にご馳走するし、それはそれでいいんだけど、私のお誕生日にお祝いのメッセージをくれる時でも「お祝いしましょう。いつが空いてますか?」って聞いてきて、そのメッセージに
「わたしはなんでも構いません。よろしくお願いします」と書いてくる。
なんでも構いませんというのはなんだかおかしい気がするのだ。
昔は気持ちに余裕があったのかなんか知らないけれど、若手作家や来てくれる人に、出来ることがあったらやろうと思ってて、自分としてはそれが当たり前だと思ってたから気にならなかったんだけど、最近はちょっとなんかおかしい気もすると感じ始めてしまった。
彼女のお誕生日には、どんなお店がいいだろうとか、何が食べたいだろうとか、プレゼントは何がいいかなあとか、どうせやるんだったら楽しんでもらいたいと思うほうだから勝手に色々と計画する。普段は行かないところがいいかなあとか、今、どこが楽しいスポットになってるんだろうとか。
基本的にそういうことするのって好きだから苦にならないたちなんだけど、今回はなぜか、なぜだか気が乗らない。
彼女の中にもしも立場が違うっていう感情があり続けるとしても、私のお誕生日には「ここにしましょう」とか「こんなことしましょう」とか言ってくれてもいいんじゃないだろうかとふと思ってしまった。
どうして、私の誕生日に「わたしはなんでも構いません」なのか、そのセリフが20年近くたった今、始めて気にかかるようになってしまった。
最後にあったのは去年の彼女のお誕生日をお祝いした時。
そして彼女のお誕生日の時期が来て「いつにしますか?わたしは〇〇曜日と、〇〇曜日が空いてます。行ける時を教えてもらったらあわせます」というメッセージが来た。
これは私が人間として小さくなってしまったという事なんだろうか・・・。
今、新しい仕事が入ってきてちょっと時間がとれそうにないから、ちょっとだけ先にのばしてもいい?っていう連絡を入れなくちゃと思いながら入れられないでいる。近々行けそうって言ってあったんだけれど、それが終わるまでは行けそうにない。それをとても申し訳ないと思っている自分と、いや、ちょっと待て、なんだか、なんだか気が乗らないっていう自分が、ぐったりするほどせめぎあっている。
小さい人間になっちゃったんだろうか。
いや、そもそも小さいとか大きいとかの問題なんだろうか。
わからない。
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