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♯27 まず、劣後順位を付けよ
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今月の一言:「まず、劣後順位を付けよ」
■ やらないことをまず決めよ
「劣後順位」は聞きなれない言葉ですね。
多くのビジネス書で、「優先順位付け」の重要性を説いています。
ドラッカー氏は、それ以上に重要な経営課題として、
「やらないことをまず決めよ」
と述べています。
ドラッカー氏曰く、
「実は、本当に行うべきことは優先順位の決定ではない。
優先順位の決定は比較的容易である。
一方、劣後順位をするマネジメントが少ないのは、取り組むべきでない仕事の決定と、その決定の遵守が至難だからである。」
実は同様の金言は、多くの著名経営者も述べています。
「やらないことを決める。それが、経営だ」
「何をしないかを決めるのが、他社との差別化だ」
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■ 経営における「コンコルド効果」とは?
「コンコルド効果」という、脳のバイアス(非論理的な偏り)をご存じですか?
「コンコルド効果」とは、ある対象へ金銭的、精神的、時間的投資をし続けると、その後も損失すると分かっていても、投資をやめられない状態のことを指します。
名前の由来は、もちろん「音速旅客機コンコルド開発の教訓」から。
行動経済学では、「サンクコスト効果」とも言います。
ギャンブルで負け続けると、この状態に陥りやすいですよね。
ギャンブルの例えはとても分かりやすいですが、実は経営も「投資」の連続です。
設備、人、新規事業、過去から蓄積した技能や顧客、取引先との関係性、などなど。
「ヒト・モノ・カネ・時間」の有限的経営資源をこの先投入しても効果が見込めないことを分かっていても、コンコルド効果で貴重な経営資源(特に時間!)を投下し続けることってありますよね。。。
治療院業界でいえば、今の施術方法、集客のやりかた、院内にある治療具や設備、所属している団体での活動などなど。
パチンコでコンコルド効果に陥っても数万円の損で済みますが、経営では許されません。
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今まで当たり前のようにやってきたことを止めるのは、勇気が要りますよね。
辞めるべきか、継続すべきかを決断するのに当り、ドラッカー氏は次の明確な問い掛けをしています。
「まず、今までそれをやっていなかったと仮定せよ。
今からそれを始めるとしたら、始める価値はあるか?」
JALの再生を始めとする、企業再生スペシャリストとして名高い冨山和彦氏。
その著書「選択と捨象」では、「強い企業、再生力のある企業は、選択が上手なわけではない。成功体験や築いてきた過去を”捨て去る”勇気のある会社が、生き残る会社だ」と論じています。
この教えに従い、当社では第二創業期に「ウレタン加工事業」「薄利多売な商形態」「他社で容易に出来る仕事」をやらないことに決めました。
■ 重要なことは、「分析」ではなく「勇気」である
まずは、やらないことを決める。
そこから残ったことが、「やる価値がありそうなこと」。
では、そのやるべきリストの絞り込みと優先順位はどう付ければよいか?
優先順位の決定について最も重要なこと。
分析ではない。
それは、勇気である。
この言葉は、経営者として未来をどう築いていくかという文脈の中で語られた一文。
それだけに、10数年前に私が初めてこの言葉に接した際、「分析」と「勇気」の二項対立的話法に、正直戸惑いました。
「勇気?じゃあ、理性より勢い、論理より感覚、科学的手法より直観で未来を決めろってこと???」
常に論理的なドラッカー理論。
そのドラッカー氏が、「未来を決める」という大切な選択の岐路で、「勇気」というある意味抽象的で精神論的な言葉をなぜ選んだのでしょうか?
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「未来を創ること」
それが、経営者の最も重要な仕事の一つです。
そして、未来は誰にも予測が出来ません。
未来予測は、ある意味未来の天気を予測するようなもの。
今日から向こう1週間の天気は、科学技術の発展で、かなりの精度で予測できるようになりました。
一方、一年後の今日の天気と気温を予測するのは、誰にもできません。
過去30年のその日のデータを克明に分析し、論理的に予測しても、あまり意味はありません。
会社の未来を創るのも、天気の予測と同じです。
もちろん、過去や現状を分析し、論理的に思考するのも重要。
ただし最も重要なのは、過去の結果分析から導き出された予測に頼ることではありません。
会社の未来に対する最終的な意思決定は、やはり勇気と直観で決めるべきだと、今は考えています。
「自社の強みを再定義し、その独自性を最大限活かせる機会に焦点を当てること。
無難で容易なものではなく、変革をもたらすものであること。
それらの意思決定は、すべて分析ではなく、勇気に関わるものである。」
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先生の院における「やらないこと」は何ですか?
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