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持ち続けること、手放すこと

「欲しいものがわかっているとシンプルになる」と、知人が言うのを聞いて、その通りだと思いました。欲しいものが明確だと、日々を楽に生きられる気がします。

また、欲しいものがはっきりしていると、手放すことも難しくありません。私自身も、近年は、自分が大切に思うものを軸にして生きてきたと感じています。そうすることで、余計なことをしなくて済みますし、他の人からのアドバイスや情報も、必要ないものは気にせずに無視できるようになります。雑音の中から必要な音だけを聞き分けるような感覚です。

それでも時々、心や生活がごちゃごちゃしてくることがあります。そんな時は、「捨てる」ことを選びます。ここでの「捨てる」というのは、物質的なものだけでなく、余計な考えや執着など、停滞しているものを手放すことも含まれます。捨てることに未練が残ることもありますが、そんな時は急がずに、しばらくその気持ちと向き合ってみます。そうしていると、自然に「もういいか」と思える瞬間がやってきます。その瞬間が来たら、スッと手放すことができるのです。

大切なものを持ち続けることと、必要がなくなったものを手放すこと。そのバランスが取れていると、気分がいいのです。自分で自分のことを支え、大丈夫だと感じるのは、このバランスのおかげかもしれません。

育てる力と壊す力、その両方をバランスよく持つことは、生きる上で重要だと思います。この二つの力がうまく調和すると、柔軟でしなやかな人生が送れる気がします。


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