塩は私の代名詞
カロリーって何?
正直に言うと、全然分かりません。
痩せたいと強く願っていた時でさえ、カロリーを意識したことはありませんでした。
栄養素についても同じで、意味が分からず、意識して食事をする気にはなれません。
一般的に体に悪いと言われる食べ物を食べる時も、「これは良くないな」と考えることはありません。
少しだけ栄養素を気にしてみた時期もありましたが、何の効果も感じられず、結局続きませんでした。
カロリーを実際に「体験」できるなら、理解できるのに。
そもそもカロリーとか、栄養素とか、その情報を信じられません。
なぜだかわからないけど、こういう懐疑心の強い子供時代を過ごし、そのまま育ってきました。
大人になって頭にたくさん知識を詰め込んだけど、今はほとんど抜けてしまい、無知に近い感じです。
そんな私の知っていることは、塩についてです。
しかも、私と塩の関係です。
物心ついたばかりの私は、積極的に塩を舐めていました。
近所のおばさんが台所で塩の詰め替えをしている時、私は黙って手を差し出し、「塩ちょうだい」って、やってました。
ちなみに、兄はバターをかじっていたと聞いています。
なので、人にはその時々の必要な食物があって、それは食べたいものという感覚を通して理解できる。
これぞ、自分食=自然食だと考えています。
そんな考え方をしてるから、私には、食事に一切の制限がございません。
食べたいものが毎回素直な欲求じゃないかもしれないし、口に合わなくて残念だったりするけれど、それを選んだんだし、自分で決めたんだから…。
私は、10年くらい前から米が食べられないのです。
食べると不味くて気持ち悪いし、気分が沈むし、食べたことを後悔するから、滅多に口にしません。
例外的に食べられて、美味しい時もあるけど、そんな時は喜びを感じます。
一度、こんなことがありました。
ある一定期間、極端に塩の摂取量が減ったんです。
その頃の精神状態を表していたんだと思いますが、半年以上、もしかしたら1年間くらい?
それで、私は眠れなくなってしまったのです。
眠れないだけではありません、底なしの恐怖感に襲われ続けたのです。
陳腐な喩えですが、あれは地獄でした。
ある時、ふと「もしかしてこれがパニック障害?」なんて考え、すぐに調べました。
すると、私の症状と同じようなことが書かれていて、そういう状態の時、こうしたら良いというためになる情報がありました。
でも、そのためになることは、既に、すべて、私の体が勝手に動いてやってくれていました。
「体ってすごい! どうすればいいのか知っているんだ」と歓喜しました。
でも、最後に書かれていたことだけは、まだやっていませんでした。
食事です。
ミネラルを摂取しなさいとあったのです。
食物の知識のない私は、咄嗟に「塩だ」と思い、でもなぜか、寿司を買いに走り、醤油たっぷりで食べました。
すると、効果を感じたのです。
その日の夕方、知らぬ間に、短い時間でしたが、昼寝したんです。
毎日、ショットグラス一杯分くらいの醤油を飲みました。
その後、徐々に、確実に、私は回復しました。
そして、改めて、自分にとっての塩の重要性を実感しました。
私と言えば、塩!と、若い頃、友達と話していましたが、今でも塩は私の代名詞のような存在です。
極端なことを言えば、私は塩さえあれば他の調味料に頼らず料理ができます。
なんでも美味しく作って、食べられます。
だって、「私と言えば、塩」だから。