
Photo by
tyawonigosu
ふと見たら左手の親指の付け根あたりに数字の『1』と読める小さな傷があった。
真っ赤に染まった『1』は洗っても落ちない。
紙で切ったような細い切り傷だが触ってもそれほど傷まない。
いつこんな傷をつけたのか、さっぱりわからなかった。
こんなに赤い血がしっかり滲んでいるというのに。
気がつかないうちに痛みはないけれど血を出している傷が自分にはあるんだなと思った。
無数の傷があるようにも思える。
すぐにかさぶたになり、気づかぬうちに剥がれ落ち、かすかな跡が残ったとしても、偶然見なかったら気がつかないままだったのかもしれない。
知らず知らず傷ついていることもあるんだろう。
逆にそうと意識しなくとも誰かを傷つけているのだろう。
お互い気がつかぬうちに。
言葉には気をつけなさい。
それはいつか行動になるから。
そうマザーテレサは言った。
言葉に毒はいらない。
毒のある振る舞いをしたくはない。
もう一度自分を振り返り、反省し、戒める為に現れた傷に感謝。