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ぼくのおじさん【感想文部】(毎週ショートショートnote)
ぼくのおじさんはお母さんの弟だ。
40を過ぎて独身だ。
お洒落に五月蝿くていつもしゅっとしたスーツを着ている。
おじさんがどんな仕事をしてるのか、よくわからない。
お母さんに聞いても、さあね、というだけだ。
おじさんに聞いてみた。
ねーおじさんは何やってる人?
おじさんは笑ったが答えてくれない。
なあ、タカシ。
夏休みの宿題で感想文書いただろう?
うん。つまらなかった。
そうか。
タカシ、それ見せてみろ。
ぼくは見せたくなかったけどしかたない。
おじさんに今日返された感想文を渡した。
ごんぎつねを読んで。
3年1組
田原たかし
ごんぎつねを読んだ。
ごんぎつねは感想文を書かせるために書かれたものじゃない。
感想などだれかに聞かせるために書くものじゃない。
ぼくは感想文なんて書きたくない。
感想文なんてくそくらえ。
わたしが望んでいたのはそういう発想だったのだ。素晴らしい。
感想文部 編集長として子供から発想を得るのはやぶさかではない。