福澤諭吉の『西洋事情』は明治日本の西洋化の教科書
福澤諭吉の『西洋事情』を読んだ。
開国して間もなく、西洋化しようと模索していた中で西洋文明が具体的な制度としてどういうものなのかを最初に解説してくれた本だと思う。
今読むと中学や高校の社会科の教科書を取りまとめたような内容で、政治制度、経済システム、貧民救済の社会制度や保険、それにアメリカ、ロシア、フランスの近代史が紹介されていて興味深い。
当時の日本人は西洋化しようにも情報に飢えていた。そのタイミングで、その当時の口語体で平易に書かれた社会の本なのでありがたみがあっただろう。
ベストセラーになったのも頷ける。
今読むと現代の日本社会に導入されているものばかりで当たり前のことを記述しているとも思えるのだが、当時の文明開化前の日本では革新的な内容だったのだろう。
また、福澤諭吉が経済学者でもあったということもこの本を読めばわかる。日本最初の経済学の本とも言えそうだ。