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北岡伸一氏の「日本外交の力点、東南アジアに置け」論考について

北岡伸一東大名誉教授による日本経済新聞2025年1月8日付「経済教室」の「日本外交の力点、東南アジアに置け」という論考を興味深く読んだ。

戦後国際社会は、①戦争によらない政治における国際紛争の平和的解決②経済の自由貿易、という2つの基軸、いわゆるグローバルリベラリズムで運営されてきた。それがこのところトランプ大統領の誕生、中露の動き、グローバルサウスの台頭などで揺らいでいるので日本の外交もそれにふさわしい形にすべきだというのだ。

一番興味深く読んだのは"途上国に働きかける際、重要なのは普遍的価値を振り回しすぎないことだ。民主主義も法の支配も、いつ、どこででも定着するわけではない。"という箇所だ。中露を中心に権威主義国家がグローバルサウスで一定のプレゼンスを持ってきていることが如実にそれを表している。

北岡伸一氏と言えば小沢一郎の『日本改造計画』の主要編集者の1人であり、同書の内容はその後の日本の構造変化を的確に予見しており、現在の政治・経済政策の主要ポイントは同書が実現されている。今後の日本外交を予見する上で非常に興味深いと思われる。

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