マルクス可能性の中心
社会科学のパラダイムシフトでマルクスは忘れられた知識人となりつつある。経済学では、その労働価値説が根本的に間違っていること、景気予測に使えないなどの理由で衰退している。
個人的にはマルクスの方法論も全く無意味にはなっていないと感じる点がある。それを論じてみたい。
一つには、下部構造に経済(生産関係)があり、上部構造に文化があるという視点だ。経済が社会の諸様相を支えていて規定すらしているというのはその通りではないだろうか。
もう一つは、マルクスそのものではないが、レーニンの『帝国主義論』で提示された資本主義の未来予測だ。レーニンは資本主義が利潤を求めて帝国主義化し、アフリカなどのフロンティアを開拓していくが、フロンティアはいつか枯渇し、肝心の利潤率は低下して資本主義は終焉すると予測した。この動きは現実の分析として当てはまっているのではないか?
我々はどうすればいいのか?
その答えは技術革新によるフロンティアの拡大にあるのではないだろうか。要は新規需要を技術革新によって開発し、利潤率の低下を留めるのだ。