危険を予知する男
工業系・土木系あたりで「KY」という用語がある。
「空気読めない」ではなく「危険予知」だ。
これは超能力ではなく、「現場の状況を観察し、そこに潜む危険を察知する」こと。
勤務先では定期的に「危険予知トレーニング」(略してKYT)が行われる。
作業現場の「何か起きそう」な写真を見て、「どんな事故の可能性があるか」「防ぐにはどうするか」を考える。
討論をするわけではなくて、作業員それぞれに紙を配られてそこに回答を書き、提出する。
テストではないので、正解・不正解で採点をされるわけではない。
これはという危険が思い浮かばず、適当に書いて出すこともある。
上司は「こいつ何考えてるんだ?」と思うかも知れないが、どうでもいい。「斬新な視点」だったりすることもありうる。
こういう練習を頻繁にしないと、実際に働く現場で危険に気付くことはできない。そのくらい、我々は楽観的である。
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