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コピーライティング講座④人が行動する理由は"たった2つ"

今日のテーマは

「人が行動を起こす理由」

です。

今回お伝えするポイントを押さえるだけで、日常会話でもあなたの話の説得力が段違いに上がるので、ぜひ取り入れてみてください。

■人はなぜ「行動」するのか?

あなたも日々、朝起きてから寝るまでの間に様々な「行動」をとっていると思います。

「起きる」「寝る」というのも行動そのものですし、歯磨きをする、風呂に入る、食事をする、会社・学校に行く、友だちと遊ぶ、テレビを見る、YouTubeを見る、映画を見る、運動する、勉強する、などなど…

1日の中で起こした「行動」の数を挙げればキリがないでしょう。

さて、あなたは"なぜ"それらの行動をとっているのでしょうか?

たとえば、毎朝ちゃんと会社に行くのはなぜか?
会社をサボって一日中家でゴロゴロするという選択肢だってあるはずです。

休んだら給料がもらえないから?
仕事がたまっているから休んでる暇がない?
急に休んだら上司や同僚に迷惑がかかる?

人によって様々な理由があるかと思います。

また、お腹が空いたら食事をとるのはなぜでしょう?

空腹のままだと仕事のパフォーマンスが上がらないから?
栄養をとらないと死ぬから?

意識的にせよ無意識的にせよ、何かしらの理由があるはずです。

■人が行動を起こすたった2つの理由

今2つほど事例を挙げましたが、結論を言うと人間が行動を起こす理由はたった2つに集約されます。

それは、

「得たい欲求」
「避けたい欲求」

この2種類です。

言い換えるなら

「望ましい結果を得るため」に行動する
「望ましくない結果を避けるため」に行動する

ということです。

たとえば先ほどの「会社に行く」という例であれば、

<得たい欲求>
・働くことで報酬を得たい
・周囲から評価されたい
・自分の能力を高めたい
・会社に貢献したい

<避けたい欲求>
・給料を下げたくない
・周囲から軽蔑されたくない
・同僚に置いてけぼりを食らいたくない
・自尊心・自己肯定感を下げたくない

といったような理由が考えられるでしょう。

人間の行動は全て、

「得たい欲求」
「避けたい欲求」

のいずれかを満たすために行われています。

■2つの欲求は表裏一体

また、お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、この「2つの欲求」は表裏一体の関係にあります。

たとえば、「生きる」ということに関しても、

・得たい欲求:生きたい
・避けたい欲求:死にたくない

という表現になりますし、
他には、

「勝負」

・勝ちたい
・負けたくない

「恋愛」

・モテたい
・孤独になりたくない

「お金」

・裕福になりたい
・貧乏になりたくない

「娯楽」

・刺激を得たい
・退屈したくない

といったように、1つのテーマに対して「得たい欲求」「避けたい欲求」のそれぞれ表現ができるわけです。

■「避けたい欲求」の方が「得たい欲求」より強力

2つの欲求のうち、「避けたい欲求」の方が強力であるというのも重要なポイントです。

たとえば、

「これを知ることで、あなたは周囲から尊敬されます」
「これを知らないと、あなたは周囲から軽蔑されます」

上記のどちらの表現が、より「これ」を知りたいと思ったでしょうか?

「避けたい欲求」の方が「得たい欲求」よりも強力ということを示す根拠としては、行動経済学の「損失回避性」という概念で明らかにされています。

「損失回避性」というのは、「あるものを失ったときの惨めさは、それと同じものを得るときの幸福感の2倍に達する」というもので、これを使った実験結果もあります。

クラスの学生の半分に、母校の校章が型押しされたコーヒーマグが渡される。

マグを渡されない学生は、近くにいる学生のマグを念入りに調べるように言われる。その後、マグをもっている学生はマグを売るように勧められ、マグをもっていない学生はマグを買うように勧められる。

その際に、次の質問に答える。
『次に示す価格について、この価格ならマグを売ってもよい(買ってもよい)と思いますか』。

その結果はこうだ。
マグの所有者がマグを手放すために要求する値段は、マグをもっていない人がマグを買うために支払ってもいいと考えている値段のほぼ二倍になる。

この実験は何千個ものマグを使って何十回も繰り返し行われたが、結果はほとんど変わらない。せっかくマグを手に入れたんだから、マグを手放したくはない。しかし、マグをもっていないとしたら、マグを急いで買う必要は感じない──。

人々は対象物の価値を厳密に判断していない。なにかを手放さなければならなくなったときの痛みは、まったく同じものを手に入れたときの喜びよりも大きい。

出典:『実践行動経済学』

ただ、「避けたい欲求」の方が強いからと言って、過剰に恐怖や不安をあおるような表現ばかり使うと、受け手を不快にさせてしまうので注意が必要です。

■今日のまとめ

  • 人間の行動原理は「得たい欲求」と「避けたい欲求」の2つに集約される

  • 「避けたい欲求」の方が「得たい欲求」よりも強力

  • 「避けたい欲求」を表現するあまり、恐怖や不安をあおって受け手を不快にさせてしまわないよう注意が必要

■今日のワーク

  1. あなたが今日とった「行動」を一つ思い出してみましょう(どこかに出かけた、何かを買った、誰かと遊んだ、何かを食べた、1日中ゴロゴロしていた、など何でもOKです)

  2. なぜその行動を起こしたのか、「得たい欲求」と「避けたい欲求」それぞれの観点で考えてみてください。

コピーライティングでは、「他人の欲求」を理解することが重要であり、それを行う上ではまず「自分の欲求」を理解しなければなりません。

「自分の欲求」を理解するための格好のトレーニングがこのワークになりますので、ぜひやってみてください。

それでは、今回は以上です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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