持病と向き合う
以前より別に隠していたわけじゃないのですが
私は持病を持っています。
病名は「エーラスダンロス症候群 血管型」
(※出典:難病情報センター「エーラスダンロス症候群(指定難病168)」より)
遺伝性疾患で全型を含めると5000人に1人
血管型だけだと5万人に1人の確率でなり、
未だ有効な治療法が見つかっていない
所謂「難病」というやつです。
どんな病気かと言いますと
「血管(腱や筋、関節等も)が脆い」という病気です。
とすごく仰々しく書きましたが
普段日常生活では特に大きな規制がある訳では無いし、脆さは年齢に比例するので今までは結構アクティブに体を酷使していた自覚がありますwww
(ダンスに始まり、アクションやダイビング等もやってますからね笑)
しかし何故このタイミングで改めて記事にしようと
思ったかと言いますと、
通常時はなんともなくとも出産は命懸けという事になるからです!
心配をかけたい訳でもなく、
不幸自慢をしたい訳でもなく、
ただ意外と決して少なくない患者数のこの病気を持っている方に
1つでも出産の成功例として勇気になればと思いまとめます!
(まだ出産自体は現段階ではしていないのですがwww)
-妊娠発覚前-
この病気が分かったのは私が中学生の頃の事です。
自分に出ている特徴としては腕の過伸展(猿手と呼ばれる肘が逆に曲がる現象)、指関節がとても柔らかい、目が大きい(今の主治医によると結構顔は特徴を捉えているらしい)、青あざが出来やすい…
位のもので本当にこの病気じゃない方とあんまり変わらないんですよね。
ただ、私の症状が軽い方なだけであって
若くても少しの衝撃で心臓や脳等の重要臓器で血管破裂が起こり亡くなる方もいらっしゃる。
型によっては関節という関節がバラバラに外れてしまったというような症例も聞いた事があります。
私の既往歴(?)としては
高校3年生の時にダンスのジャンプの着地時に左膝(前十字)靭帯断裂→再建手術
24歳頃にアクションのパンチの踏み込みで右膝(前十字&内側側副)靭帯断裂→再建手術
を受けました。
また陽性とわかった時点でいくつか制限をかけられました。
①アメフト禁止
②ラグビー禁止
③自然分娩禁止
…1.2は分かる。激しくぶつかるもんね…
という事は相撲もあかんのかなーと聞いていましたが、
問題は③。
そうなんです。
思いっきりイキむと血管が破れてしまうんです。
という事で私は中学生の頃から「産むなら帝王切開」と言われてきたので心の準備は出来ておりました。
そして、もうひとつ。
東京の主治医からは「出産は帝王切開だとしても、妊娠中も色々なリスクが付きまとう病気です。進行が老化に伴うものだとしても特に初産は20代のうちでないと妊娠継続を許可出来ない可能性があります。」とずっと脅されていました。
晩婚化に伴い、出産の平均年齢も爆上がり中の昨今。
私自身「無理ゲーやん。」と半ば諦めかけていたのが正直な感想でした。
(正直な話、結婚もしないだろうと内心思っておりました笑)
そんなこんなで29歳になる誕生日直前に妊娠が発覚しました。
-妊娠発覚後-
という事で妊娠発覚後すぐに主治医にも報告し遺伝子科と産婦人科の連携を取って頂きつつの妊婦生活が始まりました。
と共に私がこの病気について、妊娠について、色々な事について考えが甘かったことを知りました。
まず、普通に妊娠しても血液量は通常時の1.5倍まで増えて血圧が上がるそうです。
(私はそれも知らなかった笑)
血圧が上がるということはこの病気に取って天敵なので
「セレクトール」という血圧を下げる薬を内服することになりました。
一度に内服すると低血圧になりふらつき等でかえって危なくなるという事で初めは100mgからスタート。
スタート時もふらつく可能性を考えて1週間ほど管理入院をしました。
(妊娠3ヶ月頃かな)
入院中は案の定血の気が引いてフラフラしておりましたが一応収まり退院。
そこからは目に見えて血圧が上がり始めたら100mgずつ増やして110/60-70代をキープ出来るように管理していきました。
妊娠リスクは血圧上昇におけるものだけではなく、やっぱり子宮破裂等のリスクは人一倍あるらしく
検診も安定期に入った後も2週間に一度は受け、
最後後期に入る8ヶ月からは1週間に一度母子共に細かく見て頂きつつ、
先日30週からは管理入院が始まった…ということになります。
初産になるのであまりよく分かっておりませんが、私自身後期に入っても今のところ
記憶のない青あざが増えたかなーとか
時々動悸が激しくて息苦しい(30秒程だけ)とか
調子が悪いと血管が浮き出てくるとか
それくらいの体感です。
ちなみに現在は内服量は1日400mgまであげています。
-帝王切開である事-
上記で触れているように帝王切開が中学生の頃から決まっていた私ですが
自然分娩の他に無痛分娩という選択肢が増えたからなのか
結構、産み方について聞かれます。
いちいち病気に触れるのも面倒だなと思ったら「逆子なので帝王切開なんですー」と言うと
(実際現在逆子なのですが)
まぁ時々出てくるのですよ。
"普通分娩教"の方。
www
「逆子ならお母さん頑張ってマッサージしなきゃねー」
…これくらいは序章です。
「初産で帝王切開しちゃうと次産む時も帝王切開だから大変になっちゃうじゃない」
…いや、普通分娩も十分大変ですよね?
「やっぱり普通分娩でお腹痛めて産むと子供への愛情が深くなるよ」
…無痛分娩でも子供への愛情は変わらねぇよ
…帝王切開はお腹痛くないんか!?
…そもそもこっちは普通分娩したら死ぬ可能性高いんぞ!死んだら赤子どうすんねん!
…と突っ込み止まらないようなお言葉をかけられる事もしばしば。
妊娠中特有の気だるさをずっと抱えつつ言われるこういう言葉は
健康な時はノーダメージでも妊娠中はマタニティブルーとのコンボ技で急所に当たる事もある…
という事で本当に無視できる人は無視しましょう案件なのですが
同じ病気を持ってる人へは
「とてもリスクの高い妊娠出産に覚悟持って立ち向かえるだけでも十分母親として強いよ!」
と言いたい気持ちです笑
-最後に-
実はこの病気に関しては体調面よりメンタル面で大きく作用したのですが、それはちょっと長くなりそうなのでまた後日別記事にまとめます笑
遺伝性疾患なのでお腹の中のバブにも2分の1の確率で引き継がれる事になるのですが、
今はどうか陰性を引いておくれと願うばかりです。
うちは母がこの病気でしたが4人も成人まで育て上げ、しかも下ふたりは双子という凄い成功例もあります!!
私もまだ出産した訳ではありませんが母子ともに必ず元気に産んで皆様の成功例として自信になれるよう頑張ります!
この病気を抱えている方、現在妊娠中の方、妊娠を考えている方、別の病気を抱えている方…etc…
色んな方がこの記事を読んでくださっているかと思いますが、本当に皆様に幸多からんことを!!
共に頑張りましょう!!