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仮想の往復書簡 第3便

本好きなのに読書ができない


こんにちは。
本はお好きですか?
私は好きです。よく読むのはエッセイや旅行記、人文系の思想書や社会派ルポなどでしょうか。小説などのフィクションや、ノウハウ本はあまり読みません。
カバンの中にはいつも何かしらの本が入っています。移動中の電車や、お茶をしに入った喫茶店で、本をよく読みます。

ただし本は好きでも読書好きというわけでは、どうもないらしい、というのは最近になって気づきました。
静かな場所でじっくり何時間も本を読む、という集中力が無いのです。
降りる駅までの15分間とか、喫茶店で頼んだケーキの美味しさに気を取られながらとか、細切れに、断片的に読み進めるのが性に合っているようです。

以前、ある東洋医学の本にあった体質チェックをやってみたことがあるのですが、私の体質だと食事については一度にたくさんの量食べられないので、少量を数回に分けて食べるのがおすすめ、とありました。
確かに言われてみれば、お腹がすごく空いていても食べ始めるとすぐに満腹になり、
またしばらくすると、口寂しくなって間食をすることがよくあります。

そしてそれは私の読書の仕方にも、共通しているなと思いました。
本を読みたくて開いても、数行か数ページで集中が途切れるということは、食事と同様、一度に少しずつ、何回にも分けて読んでいくのが体質に合っているのかもしれません。

もしかして、本の読み方と食事の摂り方は、相関関係があるのでしょうか。

例えば、豪快な分厚いステーキやスタミナ料理をがしがしと食べられる人は、歴史超大作のようなスペクタクル小説を熱中して読んだり、

朝と昼は軽めで、ディナーはフルコース並みに豪華に食べるのが好きな人は、
ミステリーを結末から読む人をこの世で一番嫌っている、とか。

人が何かを自分の内に取り込む時、
その方法は人それぞれ違って、しかも案外、本人は無意識にそれをちゃんとわかっていて、自分に適したやり方で摂取しているものなのかもしれません。

今日はこの辺で。
またお便りしますね。

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