[ガンダムエボリューション]│久々に触れるeスポーツの世界
ひっそりとプレイしている「ガンダムエボリューション」。
私はFPSが非常に苦手で、更に対人戦となると輪をかけて苦手だ。
FPSと私
それでもシューターというジャンル自体は好きで、フリーゲームも含め過去に色々な作品をチャレンジしてきた。とは言え最後にプレイしたFPSのPvPと言えば「DESTINY(初代)」のしかも最初期。確かスライディングしながらショットガンを擦り付けるという「VANQUISH」みたいなゲーム性だった頃だと思う。
元々実績解除か何かのリワード目的でvPモードをプレイしていたために戦闘回数はさほど多くなかったものの、そのあたりで己の限界を感じた。
ヘタクソ問題
まず第一に上達しないという問題があった。
これは対人戦に於いて致命的で、デスを重ねるばかりでは楽しむことすら不可能だ。特にマップの理解度が浅い序盤は、角待ちや遠距離からの射線を警戒できず、動くことさえままならない。当然有利なポジションも理解できていないわけだから、短い生存時間のうちに周囲の様子を良く観察せねばならず、すぐにまたそのライフには終わりが来てしまう。リスポン地点付近にだけ詳しくなってしまうのだ。
そんな状態ではチームへの貢献など考える余裕もない。
その上、うまいことキルを取れてもいまひとつ達成感とか満足感を得られなかったので、そもそも対人戦が向いていないのだろうと思っていた。当然、対人戦でしか味わえない興奮や緊張感は実感できたが、それだけではモチベーションの維持に繋がらない。
私は一向に上達しなかった。する気も無かったのかも知れない。
民度問題
買い切りのゲームであったとは言え、元々問題視されることの多いシューター界隈であるから、当然のようにマナーの良くないプレイヤーも多かった。
煽りプレイと呼ばれる行為は、プレイヤー人口の減少に繋がり、やがて自らの首を絞める(煽る相手も居なくなる)のだと言うことを心に留めるべき…というのはきっと本人たちも理解しているだろう。それでもきっと一時の高揚感や征服感によって抑えきれない衝動があるのだろう。
そういうプレイヤーは往々にして味方チームの雰囲気も悪くする。そしてこれが最も質の悪いタイプだと私は思う。そんなに嫌なことがあるならばゲームを辞めれば良いのにとさえ思う。
私自身は「幼いなぁ」と思いながら見ているだけなのでそこまで腹は立たないが、それでも不愉快ではある。例えその対象が私ではなくとも、見ていて気持ちの良いものではない。
また、どれだけ自身が上達しようとも、そういうプレイヤーを減らすことはできない。「ハースストーン」でどれだけラダーに潜ろうとも、遅延するプレイヤーへの対抗策は存在しないのだ。
映像酔い問題
ある意味最大の課題、映像酔い問題だ。
TPSであれば酔わないのに、FPSとなると本当に連続プレイが厳しい。かつて「ボーダーランズ」にハマり寝食を忘れてトレハンに励んでいた(画面分割で遊んでいた時代が懐かしい…)が、それでも映像酔いには勝てなかった。ただあのゲームは比較的酔いにくかった気がする。
こういった多くの問題を抱え、耐えきれなくなった私はFPS自体を断念した。そして可能な限り対人戦を避けるようになった。
ガンエボ
そんな中で本作の登場である。
ガワだけガンダムになった「オーバーウォッチ」であり、ナノスキンでもないのに自然回復するモビルスーツ達がピョンピョン飛び跳ねる様は滑稽としか言いようがない。しかしどうしてもプレイしてみたくなってしまった。おじさんはガンダムに勝てないのだ。
映像酔い
本作をプレイしてみてまず驚いたのが、映像酔いしないことだ。
プレイ前にストリーミングなどを多少はチェックしており、そこで既に酔わなかった。概ね他人の視点の方が酔いやすいので、この時点で問題なさそうなことはほぼ確信していたが、実際にプレイしてみたら予想以上に何の影響もなく驚いたのだ。
グラフィックの影響かモーションの影響か或いはただ私が慣れただけの可能性もあるが、未だに他のFPS動画を観ると酔うので、きっと本作の何かが私にとって良い方向に作用しているのだろう。
実力
WASD移動のガンダムゲームはいにしえの迷作「ガンダムオンライン」以来である。従ってまずは入念にチュートリアルを確認し、トレモに籠るところから始めた。
しかし、ひたすら横移動を繰り返すザクに、ガンダムのビームライフルは少ししか当たらない。当たってもなかなかヘッドショットができない。
きっとこんな状態でプレイしたら多くの怖いお兄さんたちを怒らせるに決まっている。ということで早々に本作のプレイを断念…しなかった。
何しろ本作には「カジュアルマッチ」というモードが存在している。
マッチングシステムがどうなっているのかを調べたことは無いが、コレならば問題ないだろうと判断した。とは言っても流石に「何でもあり」というワケには行かないだろう。ある程度の理解と腕は必要だろうし、チームの編成などにも多少は気を配る必要があるだろう。しかし実践に勝る訓練は無い。対人戦をプレイしない限りマップは一生覚えられないのだ。
というわけで現在シーズンパスはレベル56まで進んでいるものの、ランクマッチにはチャレンジで要求された回数しか挑戦していない。
そういうわけで実力云々については期待されても困るレベルだが、モビルスーツで撃ち合いをする楽しさはカジュアルマッチでも充分に味わえることがわかった。
また、モビルスーツを撃ったり撃破するのは意外なほどに快感で、かつて得られなかった充足感や高揚感を得ることができるのだ。私は人間を撃つのが好きではなかったのかも知れない。
民度
前述の通りカジュアルマッチしかプレイしていない私だが、思ったよりも煽りプレイの類は見られない。キルカメラが無いからだろうか。
ただ切断やチーム内でのギスギスは多い。カジュアルマッチであるにも関わらず多い。
切断したプレイヤーがいた場合、対象チームはほぼ確実に勝てない。そればかりか、何故かその切断に巻き込まれてペナルティを受けることさえある。とんでもなく迷惑な行為なので是非やめて欲しいが、そもそも迷惑を掛けること自体が目的だろうから如何ともしがたい。
ランクマッチが今どういった状況なのか、考えただけで身の毛がよだつ(というほどではないけれど…)。
ただコレに限らずバグは散見される(ユニコーンで移動できなくなったり、ドムのバズーカが発射されなくなったりする)ので、対応は急ぐべきだろう。
eスポーツとして
本作はGGGP2023の種目タイトルとして発表されている。
競技として見た時に果たして妥当なのかどうか、このテのジャンルは詳しくないので判断できないが、それまで一定数のプレイヤーが残っていれば悪くなさそうな気がする。
ただ最初に使用可能な機体の数が限られている上にアンロックに必要な経費は安くないので、割と早い段階で離れてしまうプレイヤーが多そうだ。こういうゲームは好きな機体を使えてナンボだと思うので、機体数の少なさも気になる。コンパチでも良いからガワだけ追加(バンシィやザクタンク等のタンク系ならば問題なく作れそう)すれば多少違うのではないだろうか。
また、サービス開始から間もないというのにバランス調整が慎重過ぎるのと、調整内容が上位陣だけを見て決定されていそうな点も気になる。
結局のところプレイヤーの多くはカジュアルに楽しみたい人間(カジュアルマッチしかしないという意味ではなく)だろうから、上位陣に合わせた調整だけをしていたらピラミッドの土台が崩れてしまう。万人が納得する調整と言うのは難しい…というよりも不可能だろうから、少なくとも今は、eスポーツという競技性よりも初心者が楽しみやすいレジャー性を重視した方が良いのではないかと素人は思ってしまうのであった。
特にザクⅡ(格闘装備)なんかは初心者にとって大きな脅威だろうし、マラサイの即死コンボに理不尽さを感じる人も多いのではないだろうか。私個人としてはドズルザクの斧をブンブン振り回す姿が非常に間抜けに見えて、あんな姿をガトーに見せたら憤死するんじゃないかとさえ思う。
あとは課金まわりがガンオンの轍を踏まなければ、割と盛り上がってもおかしくないだろう。もしこれがガンドゥムエボリューションになってしまったら、eスポーツどころかサ終一直線だと確信できる。
ただ現時点で既に、「オーバーウォッチ2」へ多くのプレイヤーが流れているという噂も耳にする。競技として成立させることの難しさと、それを実践し長いこと維持しているメーカーの実力を改めて感じるのであった。
おわりに
ハースストーン以来久々にeスポーツという言葉を思い出したが、改めて難しい概念であると感じた。そもそもゲームは息抜きや現実逃避のために遊ぶものであって、どれだけやり込んでも趣味の範疇だった筈だ。少なくとも私にとっては昔も今も変わらずそういうものだ。
それが賞金を争う競技となれば、一口にプレイヤーと言っても様々な思惑の人間が混在する状態になるわけで、それらを導き繋ぎ止める為には運営側の並々ならぬ知識と経験と手腕が問われることになるだろう。
本作のメーカーにあまり良い印象を抱いていない人間は多いだろうが、それでも国産のゲームだ。「ストリートファイター6」の評判も良さそうだし、eスポーツを賑わせる国内メーカーは応援したくなる。
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