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未経験からウェブマーケターになる方法を考えてみた

Googleで「ウェブマーケターになるには」と調べてみると、仕事内容やら、やりがいやらについて書かれたサイトがたくさん出てくるので、そういった情報はそういったサイトにお任せしつつ、ここでは2022年現在の設定で、私が未経験からウェブマーケターになろうとしたらどうするか?、ということを考えてみようと思います。

簡単に私の経歴的なものを書いておきますと、私は2015年にウェブマーケティングの世界に入った人間で、2022年時点で7年の経験があり、現在はフリーランスとして相談役やらコンサルタントやらみたいなことをしています。ベテランというほど長くはないものの、その7年間は、しかし大変密度の濃いものでした。

キャリアの初めから編集長職をなぜか担うことになり、以後も基本的には責任者ポジションをずっとしていたので、ウェブマーケティング実務はもちろん、採用から組織づくりまで、ウェブマーケティングにまつわる業務全般を経験することができました。

前職では約60名のチームの責任者をしていたのでチームメンバーのキャリア相談に乗る機会も多く、またプライベートでも1on1やらキャリア相談やらをしていました。

累計数百名の相談に乗るなかでよくされた質問が「ウェブマーケターになるにはどうしたらよいか?」というもの。

年齢や経験によって、相談への回答は異なるものの、いくつかのパターンかに分類できるとは思うので、この記事ではパターン別に「未経験からウェブマーケターになる方法」を考えていきます。

この記事を読むと、ウェブマーケティングの全体感から、キャリアの初動までおおまかにわかるものになっているだろうと思います。

未経験からウェブマーケターになる方法:あなたがもし大学生なら

まず簡単に整理できるところから書いていくと、あなたがもし大学生なら、どこかの会社に入ってインターンをするとよいと思います。ただし注意点として、あまり有意義な経験を積めないインターンも中には存在するので、インターン先選びは慎重にするとよいでしょう。

慎重にするとよいと言われても、具体的にどうすればよいかわからないと思うので、ここでは私の関わっているエンタメメディアciatrのインターン募集を紹介しておきます。

https://www.wantedly.com/projects/1033578

エンタメ好きではないしな、という人は下記のフォームから問い合わせをしてもらえたら、気づき次第返信させていただきます。

https://forms.gle/UKXxXXnmt1eKsqLn8

いったん大学生については整理できたとして、この記事では20代~30代の社会人が未経験からウェブマーケターになるには?、ということを考えていきます。

そもそもウェブマーケターとは?

早く具体的な方法を教えてほしい、というニーズがある気はしているものの、そもそもウェブマーケターとはなんぞ?という定義をしないと前提がずれてきてしまうので、ここで紙幅を割いて、ウェブマーケターとはなんなのか?という定義をしたいと思います。

まず1文でまとめると、ウェブマーケターとは「ウェブを通じて売上を伸ばす仕組みづくりができる人」と定義します。

「売上を伸ばす」というのが重要で、たとえばTwitterやInstagramのフォロワー数を伸ばせます、というだけだとウェブマーケターとしてかなり弱いです。フォロワーが1万人増えて売上が伸びないより、フォロワーは100人しか増えないけど売上が伸びている方がウェブマーケターとしては基本的には優秀です。

なので私が中途採用の面接をする際には、もちろんカルチャーフィットは確認しつつ、売上を伸ばしてくれる人かどうか、というところを頭において判断していました。

私見になりますが、ウェブマーケターとしてのキャリアがあるかどうかよりも、これまでの経験で成果を出したことがあるかどうかの方が重要です。実際にこれまで採用を担当した会社では、中途で未経験の方を何人も採用してきました。

未経験からウェブマーケターを採用している会社もwantedlyとかで調べると出てくると思うので、そういったところから応募してみるというのはまず検討すべき手段かと思います。

https://www.wantedly.com/projects/653407
※上記のciatrに限らずですが、wantedlyは採用媒体ではなくビジネスSNSなので、エントリーをしても返信がない可能性がある点に注意は必要です。

面接が得意な方や、これまでの経験に強みがある方は、ここで決めてしまえることもあるかと思います。

とはいえ「経験年数3年以上」としている会社も多く、なかなか仕事が決まらないといった状況になってしまうこともあるでしょう。そういった場合に重要になってくるのは「成果を出した経験」です。

3年以上という条件が本当に必須な会社も中にはありますが、経験年数が3年未満でも面接に進める会社も多くあります。経験年数は5年だけど成果を出してくれるイメージが湧かない人より、経験年数は半年だけど成果を出してくれるイメージが湧く人の方がよいからです。

とはいうものの、未経験者が成果を出せることを証明する、というのは原理的に不可能です。実行した経験なくして成果が出ることはありえないので。

ではどうしたらいいかというと、成果を出してしまえばよいのです。ウェブマーケティングは会社に入らずとも成果を出すことができる仕事です。

ここで問いが変わることになります。

「未経験からウェブマーケターになるには?」から「未経験からウェブマーケティングで成果を出すには?」への変化です。

おそらくこのように問いを変えた方が、ウェブマーケティング職につける可能性も、長期的に活躍できるウェブマーケターになれる可能性も高くなると思います。

未経験で入れそうな会社がない場合、会社に入らずに半年くらい自分で経験を積んで、成果を出すのがよいのでは?というのが本記事の端的な提案です。

未経験から成果を出せるウェブマーケターになる方法をチャネル別に考えてみた

ウェブマーケティングについて考えていくうえで「チャネル」という言葉は知っておくとよいでしょう。

チャネルというのは「流入経路」を指す言葉で、ウェブサイトにどこから流入してきたかを意味します。

たとえば「別のチャネルも検討してほしい」と言われた場合は、これまではTwitterしか使っていなかったが、これからInstagramの利用も検討してみよう、というような意味合いになります。

このチャネルというものを大きく2つに分けると「広告」と「メディア」という風に分けることができます。

ウェブ広告運用

ここでもまず簡単に整理できるところから考えていくと、「広告」に関しては基本的にはどこかの会社に未経験で入る、というのが基本的なキャリア戦略になるでしょう。理由はシンプルで「広告運用をするにはお金が必要」だからです。

ウェブ広告というのは、Google、Yahoo!などに広告を表示させる「リスティング広告」や、Twitter、Instagram、Facebookなどに広告を表示させる「SNS広告」といったものがあり、いずれもお金を払って広告掲載をする仕組みです。つまり元手がないと、そもそも広告掲載ができません。

当たり前ですが、ウェブ広告は素人が適当に運用して稼げるものではないので、未経験から広告運用にチャレンジするというのは、かなりリスクが高いものになります。ゆえに基本的にはどこかの会社に入ることになるでしょう。

ひとつおすすめの会社をあげておきますと、キュービックという会社が2022年10月現在、広告運用担当を未経験から募集しています。

https://herp.careers/v1/cuebic1024/Ea1txKZPHll6

キュービックに関しては、私は関係者ではありません。社員の方と何人かお話をする機会があり、ノウハウや組織作りがしっかりしている会社だなという認識をしています。広告運用だけでなく、長期的なキャリア形成に効いてくる、貴重なマネジメント経験を積むことができるというのも大きなポイントです。

2006年に設立された会社で、組織としても紆余曲折を経ているため、過去、そして現在進行形で賛否はあるものの、カルチャーフィットさえすれば未経験から成果を出す経験をするうえで良い企業の1つと言えるだろうと思います。

最近、未経験からWebマーケターを目指す社会人向けの有給インターンシッププログラムを始めたようです。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000095.000012817.html

社長の世一さんはTwitterで毎日のように発信しているので、応募を検討される方は確認してみるとよいでしょう。世一さんに限らず、応募を検討している会社の社長の発信を確認する、というのは会社とのマッチングを考えるうえでの基本動作にするのがおすすめです。

https://twitter.com/41hide

また未経験から応募といっても、なんの準備もせずにいくよりは少しでも勉強をしてからいくとよいでしょう。

とりあえずウェブ広告に関して1冊読むとしたら、下記の『ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング Webマーケティングの成果を最大化する83の方法』という本がおすすめです。

https://amzn.to/3SDmfuD

この本の何がよいかと申しますと「ユーザーのニーズ、インサイトをどうとらえるか?」というマーケティングの本質がしっかりと解説されている点です。

ともするとウェブ広告運用は、ボタンの色を変えてみたり、広告文を少しだけ変えてみたりといったマイクロチューニングに終始してしまうこともあるのですが、高確率で成果を出し続けるウェブマーケターは「ユーザーのニーズ、インサイト」について考え続けています

今回ご紹介した本は、具体的な運用方法についても触れつつ、「ユーザーのニーズ、インサイトをとらえる」という本質的な部分が解説されているので、ウェブ広告を大局的にとらえるうえで極めて質の高い本と言えるだろうと思います。

メディア運営

さて話を戻しますと「未経験からウェブマーケティングで成果を出すには?」という問いを考える際、基本戦略として選ぶべきチャネルは「メディア」ということになります。メディアとはなんぞや?ということをまずざっくり書くと、ブログ運営やSNSアカウント運用をイメージするとわかりやすいでしょう。

メディアの良い点は、金銭的なリソースはほとんど必要ない点です。たとえばSNSアカウント運用であれば、無料でアカウントを作って、無料で投稿をするだけなので、お金をまったくかけずに経験値を増やしていくことができます。

一口に「メディア」と言っても色々な種類があるので、ここでも「チャネル」から分類してみようと思います。メディアをチャネル別に分類すると、ざっくり下記の4つに分けることができます(その分類はおかしいという意見もあるかもですが、わかりやすさ重視で便宜的に分類しています)。

  • SEO(Google、Yahoo!など)

  • SNS(Twitter、Instagram、Facebook、YouTube、TikTokなど)

  • 外部配信(Yahoo!ニュース、SmartNewsなど)

  • ダイレクト(ブックマークから直接訪問、CRMなど)

こちらも例によって簡単に整理できるところから書いていきます。

まず「ダイレクト」というのは、ブックマーク、お気に入りをクリックしてサイトに直接訪問することを想像するとイメージしやすいでしょう。私であればNetflixやhuluをブックマークして、直接訪問しています。

CRMというものについても少しだけ書きますと、CRMとは顧客管理を示す言葉です。自社の商品を購入したユーザーに再購入を勧めるメルマガやLINEを配信するといったものをイメージするとわかりやすいかなと思います。

いずれにせよ「ダイレクト」というチャネルはすでにサービス、商品を購入している、サイトのファンになっているといったユーザーを想定して設計されることが大半です。つまり未経験から取り組むのは難しいチャネルということになってしまいます。

次に「外部配信」に関しまして、こちらはYahoo!ニュース、SmartNewsなどをイメージしていただけるとわかりやすいと思うのですが、ああいったプラットフォームに掲載されている記事はYahoo!ニュース、SmartNewsが作成しているわけではなく、他のメディアが作成した記事を配信しています。

特にYahoo!ニュースに掲載されると多くのユーザーに閲覧されるため、認知度、売上向上に効いてくるチャネルではありますが、掲載されるにはYahoo!ニュースと提携する必要があり、未経験からYahoo!ニュースと提携するというのは実現可能性が低いと言わざるをえません。

ゆえにチャネルから考えると、未経験で取り組むべきは「SEO」か「SNS」ということになります。

上の箇条書きに書いていますが、SEOはGoogleやYahoo!の検索結果で上位表示をさせてサイトの流入、売上を増やすというもの、SNSはTwitterやInstagramに投稿してサイトの流入、売上を増やすというものです。

まずすごく乱暴なサマリーを書きますと「内向的で文章を書くのが好きな人におすすめなのはSEO」、「外交的でコミュニケーションをとることが好きな人におすすめなのはSNS」です。

SEOは習熟度を上げていくなかで、大量に文章を書くことになります。ですので文章を書くのが苦痛という人はそもそも向いていません。

SNSは投稿するだけでなく、フォロワーとコミュニケーションをとることも重要です。ですのでそういった対応がめんどくさい、人とコミュニケーションをとるのが苦痛という人はあまり向いていないでしょう。

また「未経験から成果を出す」ためのフローも乱暴に簡略化すると、SEOもSNSも以下の3ステップで考えるのがおすすめです。

  1. 1時間くらい本を読む(どうしても活字が苦手な人はYouTubeでもよいと思います)

  2. クラウドソーシングで仕事を受ける

  3. 並行して自分のブログ、アカウントを育てる

SEOにせよ、SNSにせよ、まず基本的な考え方をインプットするのがおすすめです。

SEOであれば下記の『10年つかえるSEOの基本』をまずは読むとよいでしょう。2015年に出版された本ですが、タイトルの通り、現在でも通用する基本的な考え方が解説されています。会話形式で、おそらく1時間程度で読めてしまうのもおすすめのポイントです。

https://amzn.to/3Cxa5Ok

SNSであれば下記の『共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る』がおすすめです。元HKT48のゆうこすが書いた本で、アイドルが書いた本とか大丈夫なの?と不安になるかもしれませんが、内容は具体性に富んだ密度のあるものになっています。こちらも1時間程度でサクッと読めてしまえるのもおすすめポイントです。

https://amzn.to/3SxGBpc

本を1時間でサクッと読んだら、実際に仕事をしてみるとよいでしょう。クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングサービスを利用して、未経験でも仕事を受けることができます。

2022年現在、未経験での報酬相場はSEOライティングが文字単価1円前後、SNS運用代行が月額1万円前後です。

クラウドソーシングサービスを活用して仕事を受けることの最大の利点は、うまくいっている会社のやり方を学ぶことができる、というところです。

SEOライティングにせよ、SNS運用代行にせよ、それによって売上が伸びなければ仕事の依頼はしません。つまり仕事を依頼している会社には、未経験でも一定の成果が出せるマニュアル、仕組みがあるということです。そういったものを学べることが最大の利点なので、正直ここでの単価はそこまで重視せずともよいでしょう。

ここまでのフローを経ると、SEO、SNSの基本と運用ノウハウをインプットできていることになるので、今度はそれを活用して、自分でブログ運営やアカウント運用をしていきましょう。

ブログ運営であれば、はてなブログ、noteなどを無料で始めてもよいですし、少し勉強してWordpressでブログを作ってみてもよいでしょう。SNSのアカウント運用であれば、どのSNSも3分程度で始めることができます。

インプットがある状態で自分のブログ、SNSアカウント運用をしてみると、ジャンルによりますが半年くらいで月数万円くらいは売上を出せるようになるだろうと思います。

半年経たなくてもよいですが、一定の成果を出したら、その旨を職務経歴書かエントリーシートかに書いて、経験年数3年以上みたいな会社に応募してみてください。書類で落ちることもあるかもですが、いくつかは面接に進めるだろうと思います。

あとは未経験から成果を出すまでのフローをしっかり話せれば通過できる可能性は大いにあります。重要なポイントは「自分で考えて行動し、成果を出した」というところです。規模は小さくても、この動きができる人は採用して成果を出してくれるイメージが湧きます。

100万円の売上を作る必要はないので、数万円の売上を作るフローを言語化しましょう。あとは謙虚に学び続ける姿勢を見せていれば、採用してくれる会社はあるはずです。

応募したけど全然通らないという方は、下記のフォームから問い合わせいただけましたらご相談に乗らせていただきます。

https://forms.gle/UKXxXXnmt1eKsqLn8


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