お盆となっちゃん
別テーマ『お盆』でお願いします。
お盆となっちゃん
お盆にであった「なっちゃん」に、オイラ1秒で恋におちたらしい。
だって、カワイイじゃん!!
なっちゃんがわらうと、ヒマワリがゆれる。
なっちゃんがおこると、せんぷうきがまわる。
なっちゃんがしょんぼりすると、せみのぬけがらがふるえる。
なっちゃんは、母ちゃんのふるさとの家のちかくの子だよ。
ことしのお盆は、母ちゃんのふるさとの家に、おはかまいりにいったんだ。
まずはおはかまいり。おじいちゃんやおばあちゃんと、ごせんぞさまのいる、おはかに手をあわせる。ナムナム。
おはかまいりのあと、ふるさとの家にかえったんだ。夏やすみのしゅくだいしろって、いわれるかなー? って思ってたんだけど、いわれなかった。ラッキー!
そいで、オイラ、外に出て、家のまわりをたんけんしてたんだ。
そしたら、なっちゃんにあったんだ!!
オイラとなっちゃんは、すぐになかよしになったんだ。
なっちゃんと虫とりして、どろんこあそびして、花火して、星をみたよ。
夏やすみのしゅくだいも? ま、まあね??
すっごく、楽しかったんだじょ!
……なのに。
母ちゃんが、そろそろ東京にかえるよって、いうんだ。
「ねえ、母ちゃん、オイラ、かえるのいやだ」
大きなスイカをまえに、オイラはいった。
「オイラ、こっちにすみたいじょ。」
そしたら、母ちゃん、ブフッてわらったんだ。
「なんで、わらうんだい!」
プッとおこっていたら、母ちゃん、ゴメンねっていって、こんどはまじめなかおでいうんだ。
「たくくんのきもちは、わかるよ。でも、母ちゃんは東京でしごとをしないと、たべていけないからね。ごめんね」
なんだかわからないけど、オイラ、わるいこといったかもなって思ったんだ。
「さあ、たくくん、おぶつだんに、手をあわせておいでね」
おぶつだんのかねをならすと、しずかなじかんがながれた。
「たくくん、なっちゃんに、バイバイしたの?」
「ううん、まだ……」
「バイバイしておいで。また、お正月にこようね」
「うん……」
なっちゃんがえんがわにいた。
風にふかれてる、ゆわえたかみもカワイイ。
「なっちゃん……」
「たくくん!」
「オイラ、東京にかえるから」
「うん」
「お正月にまたくるから」
「うん」
「なっちゃん、ありがとう……」
「たくくん、こちらこそありがとう!」
なっちゃんがにっこりわらうから、オイラもにっこりわらったよ。そしたら、とんぼがとんできてね。そしたら……
「オーイ! そろそろ行くよー!」
ってよばれたんだ。
オイラは車にのって、なっちゃんに手をふる。
なっちゃんも大きく手をふってくれた。
たくさん、たくさん! 見えなくなるまで。
たくさん、たくさん!!!!! 見えなくなっても。
「なっちゃん! またくるからねー!!」
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これが、オイラのお盆となっちゃんのおもいでだじょ。
ぜったいに、いわないでじょ! ないしょだじょ!!
(おわり)
ありがとうございました(^_^)