緊張との付き合い方
緊張してしまって、うまくいかなくて後悔することがよくあるという人は少なくないと思います。それらの経験が何度も続くと、緊張するようなことそのものを避けようとするようになってしまいます。それで人生のチャンスをみすみす逃してしまって残念な思いをしたなんていう経験もあるのではないでしょうか。それは挑戦によって緊張して失敗するくらいなら、何もしないほうが良いと考えてしまうせいです。それを穏やかな人生の過ごし方であると考えているのかも知れません。そのことの良否を問うものではありませんが、できれば人生、せっかく巡ってきたチャンスならばものにしたいと思うのが人情というものではないでしょうか。そこで今回、緊張について論じてみたいと思います。
緊張するということは、うまくやろう、失敗しないようにしようという気持ちの表れであり、決して悪い事ではありません。緊張して失敗するのは、緊張そのものが悪いのではなく、緊張しないようにしようとすることが問題なのです。緊張をなくそうとすることに意識が向かってしまい、やるべきことにエネルギーが向けられなくなってしまうのです。緊張とは固くなることというイメージがあると思いますが、これは誤解で、固くしているのは、緊張を感じないようにしようとしているためなのです。
緊張する人に対するアドバイスとして、「もっとリラックスして」などと言う人がいますが、これはまったく効果はありません。これは緊張そのものをまったく理解せず、表面的なものだけを見て対処しようとしているだけだからです。
また、緊張しないようにするために、「失敗しても気にしないようにする」と考えることを勧めるというものもありますが、これをしようとすると九分九厘失敗する結果になり、今後はさらに緊張するようになってしまうでしょう。
前述しましたが、緊張することは悪いことではありません。その人の達成への意欲の表れなのです。しかしそれは同時に失敗に対する恐れとしても感じるのです。恐れているのは、失敗した時に叱られた、馬鹿にされた、受け入れられなかったなどという過去のネガティブな体験のせいなのです。結局、他人から認められるかどうかということに注意が向いているということなのです。
他人に認めてもらいたいと思うのは、自分で自分を認めていないからです。自分が緊張していることを感じたらそれを認め、受け入れ、押し殺そうとせず、やるべきことに集中することが肝要なのです。
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