第16番

塔の崩壊を感じる
積みあげては、崩れ
崩れては、積みあげる
そのループこそが私だと

次の塔は、もっと美しく。
次の塔は、もっと高く。

崩してはならないと思っていた
芯があると思っていた
でもそのほとんどは
今やもう消えた
あの信頼や自信は幻想だった

己の滑稽さを笑うな
己の滑稽さを嘆くな
ただ己の足元を見よ
愚者に神は微笑まぬ

(また同時に 愚者も神を見ぬ)

足りないもの
必要なもの
そのなんたるかを知る
望んだもの
手に入れたもの
そのなんたるかを知る

「失くしてしまったものは拾い直せばいい」
そう兄妹が愛してくれた

得体の知れない愛というなにかが
世界を覆い救うという
愛というなにかが
人間の公約数なのだという
愛というなにかによって
僕は今生かされているという

…ハッとして
首を切る

切らないという可能性の猫を彷徨いながら


美容室で暇つぶしに書いた例のモノ。最近タロットハマっておるんじゃあ

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