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経団連から2025年版『経営労働政策特別委員会報告』が出ています
経団連から1月21日の日付で2025年版『経営労働政策特別委員会報告』(1,760円<税込>)が出版されています。Amazonでも入手できます。
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基本的に毎年この時期に発行されるのは、もちろん春の労使交渉、いわゆる「春闘」に向けて使用者側の立ち位置を表明するためであり、そのため章立ての第Ⅱ部において「2025年春季労使交渉・協議における経営側の基本スタンス」に大きく紙数を割いています。
また、前後しますが、第Ⅰ部では「生産性の改善・向上に資する「多様な人材」活躍推進と「人への投資」強化」として、近時の社会のマクロトレンドに対応する労働政策の基本的な考え方が示されています。
ハラスメント関連については、ここで「TOPICS 職場におけるハラスメントの現状と今後の動向」として3ページほど言及されています(p.85~87)。
その内容は、昨年来、労働政策審議会雇用環境・均等分科会で検討されたカスタマーハラスメント対策、就活ハラスメント対策について触れる程度ですが、昨年来、このnoteでお伝えしてきた労働政策審議会で決定した防止対策に関わる事業主の雇用管理上の措置義務については、「義務になっていない」、「今後、法改正が勧められることとなっている」とされ、脚注に「2025年通常国会へ労働施策総合推進法等の改正法案が提出される見込み」とだけ記されています。
今国会は第217回通常国会となります。
ただ、衆議院のサイトを見ますと労働施策総合推進法等の改正案は提出されていません。
例年、常会(通常国会)は1月に招集されますし(今年は1月24日)、会期は原則150日(5ヶ月間)、すなわち延長がなければ6月下旬まで開催されますので、労政審で建議された改正案は予算案や他の法案との兼ね合いから後回しになって、会期中に追って提出されるのでしょう。
今頃、いわゆる厚生労働省のタコ部屋(法案準備室のタスクフォース)の官僚の方々は、関連省庁や内閣法制局と延々と続く調整や説明でヘロヘロになっているのではないでしょうか。社会的にだいぶワーク・ライフ・バランスが意識されるようになったとは言え、実態としてはまだまだ過酷であるとお察しします。
くれぐれもご自愛ご専一に、衆参両院通過~公布まで心身ともに無事乗り切られますようお祈りしております。