
かっぱがいる街のお供物は「たこ人形」
筑後の掘割がある地域に残る習わし、たこ人形。
昔は多くの子供が掘割で水遊びをしていたので、水難避けの祈願として河童さんが好きなものをお供えするという習わしが御花には今も残っています。
ネットで調べてもほとんど情報が出てこないこの風習ですが、御花以外でも一部地域では立派なたこ人形が飾られているのを見かけたことがあります。

藁で蛸、ぐい呑み、お供えするご飯の入れ物を作り、竹や木でとっくり、かつお節を作ります。また、好物の混ぜ飯とお頭つきのいりこを入れて御池にさしてお供えします。
たこ人形は、水天宮のお祭りに間に合うように、4月末ごろに毎年作り替え、1年間飾ります。
御花の東庭園にはこのたこ人形が1年中飾られていますので、是非ご覧ください。
水難よけのお祭り「沖端水天宮祭」(5月3日〜5日)
たこ人形に深い関わりがあるのが、この毎年5月3日〜5日の3日間開催される「沖端水天宮祭」です。

開催地である沖端水天宮は、140年以上続く伝統的な神社で、稲荷神社や弥剣神社の三神が祀られており「水天宮さん」と呼ばれ親しまれています。

お堀には6隻の舟がつながっている舟舞台「三神丸」が浮かべられ、三日三晩ゆっくり移動します。
三神丸の上では、子供たちによる別名「オランダ囃子」という水天宮囃子の奉納や、芝居一座の演劇で祭りを盛り上げます。

お祭り中は歩行者天国となった沖端水天宮周辺では、露店が並び、子供から大人まで多くの人で賑わいます。
かっぱよけのひょうたん守り
水難を防ぐためのお祭りということで、期間中は水難防止の木製のひょうたんのお守りが販売されています。

ひょうたんは水に浮くということで、かっぱがいたずらをして子供の足を引っ張っても、ひょうたんを沈めることができず、溺れないということで、かっぱの天敵としてひょうたんがお守りとなっているそうです。
御花メンバーやFacebookのお客様のコメントでも、幼い頃は首飾りとしてひょうたんをつけていたという話をよく聞きます。そして、このひょうたんは肌身離さずということで、1年中つけることが多いそう。
小さなひょうたんのお守り懐かしい!
沖端の子供達はみんな首につけてましたね。赤ちゃんの頃から。
62年前の水天宮の御守り東京に行く私のために親父が持たせてくれたもの、まだ大切に持ってますよ。
現在は、1年中つけるということはだいぶ少なくなってきたそうですが、沖端水天宮の前に行くと、ちょうど1年間つけてきたお子さんの古くなったひょうたんをハサミでちょきんとして、新しいひょうたんに掛け替える場面に遭遇した時は感動してしまいました。お子様も首元に輝く新しいひょうたんを嬉しそうに見ていました。

たこ人形の作り方
たこ人形のお話に戻りまして、御花ではこのような設計図が残っており、米藁をたたいて柔らかくした後、蛸、ぐい呑み、お供えするご飯の入れ物を作っていきます。全て一つ一つ手作業で作られます。






たこ人形が出来上がっていく様子は、こちらをご覧ください!
なぜかっぱの好物が「たこ」なのか?
かっぱの好物といえば、一般的には「きゅうり」ですよね。ですが、こちらではなぜか「たこ」が好物ということになっています。
なぜなのか・・・・?この季節を迎え、たこ人形を作るたびに「なぜきゅうりではなくてたこなの?」と聞かれるのでなんとか解明したいのですが、その謎は誰も知りません・・・もしご存じの方いらっしゃいましたらぜひ教えてください!




1年水難を防止してくれるたこ人形。このユニークな風習をこれからも毎年大切に守っていきたいと思います。
皆様には、ぜひ東庭園に行って愛でていただきたいです。
最後に・・・筑後の街で出会った「たこ人形」を紹介!
筑後の堀割がある地域にはよく作られている「たこ人形」。
こんなに立派なものもあったので紹介します!


たこ人形に出会えたら、ぜひコメントで教えていただきたいです。