そんなん知らんてことドヤ顔で言われても、とは思いつつ
子どもの左上の前歯が1年ほど生えてこないのです。
隣の右上の前歯は抜けてもうすぐ半年です。
上の子の生え変わりは、
永久歯が押せ押せドンドンで乳歯と前後2枚歯になったりしていたくらいで、
それも経験なく戸惑っていましたが、
抜けたらほどなくして永久歯が顔を出すのが
自分の経験からも常だと思っていたので、
なかなか生えてこないな、と眺めていました。
もともと1年ほどすきっ歯の跡地に生えていた乳歯は
1度目は関東に帰省中に
ほぼシラフの私を含む保育福祉経験者が4人ほどガン見で微笑みながら見守る中で
下の子が嬉しそうにおどけて床を転がっていたら
なんでどうして起きようとした角度が絶妙だったのか
その場の大人が誰も予想できなかったのですが、
座卓のヘリに自ら前歯を打ってしまい、
根元のあたりで折れ、流血、阿鼻叫喚、夜の病院送りになった歯で、
2度目は、
その折った歯が適切な応急処置で再生し、通常に過ごしていた数ヶ月後に、
幼稚園でのクラスメイトの不意の衝突でまた同じ歯を打ち付けた刹那に根から抜けるという
またもや流血騒ぎとなり、
もう数十年分のこの子のたいがいの厄は
この歯で祓われたと思いたいくらいの背景を持っていました。
根元から抜けた際にレントゲンをとられていて、
歯茎に永久歯が見えてるし、
乳歯の根元も永久歯に溶かされて細くなっているから復元しなくてよい、
という話だったので、
順番的にはまだ抜けない時期の歯でしたが、
早めのすきっ歯となりました。
その後、下の前歯、上の前歯と自然に順当に抜け、
下の歯はスッと生えてきたのですか、
上の前歯はなかなか生えてこないのです。
この歯が生えたらきっと
順番守って怪我で抜けた歯のあとも生えてくるだろう、と
見守っていました。
しかし
「本当に前歯生えてくるよね?」という子どもに
「もちろん!」と答えつつも、
1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月と
「歯の頭も生えないな?」という私と夫の
自分の経験がないゆえの無知からくる不安は
日に日に増して行ったのでした。
ネットで探しても、
乳歯が抜けたら永久歯が出てくるまで半年かかる場合もある、それ以上で生えない場合は医師に相談しましょう、
という情報しか得られず、
もう歯医者さんに行って
「絶対に生えてくるお墨付き」を貰おうと、
子どもを連れて行きました。
親が子どもを医者に連れて行く理由は
自分ではない小さな身体に起こっていることで、
本人にも
小さい又は経験がなく言葉にできないゆえに
説明できないことに対して
お医者さんなど自分よりよく知ってると思われる人に聞いて、
何が起こっているのか明らかにして
「安心したい」から、
なんではないでしょうか。
というわけで、
安心したくてレントゲンを撮った歯医者さんに連れて行った結果、
安心はできました。
子どもの上の前歯は、二本とも
7歳過ぎまでには
生えてくるだろう、
と
言われたからです。
抜けてから何ヶ月とかではなく、
あくまでも、上の前歯の永久歯が生えてくるのは
そのくらいが標準だから、という説明でした。
子ども2人育ててるだけでは、
知らないことだらけです。
それぞれが違う個性の身体を持っていて、
上の子の経験が役に立たないことも多いです。
経験がないことは、
自分の身体ではないから尚更、気になったりするものです。
歯が早く生えるのがいいとか、
遅いのがよくないとか
私が連れて行ったのは
そういう話ではなかったのですが、
「上の子がどの歯も抜けたらすぐ生えてきたので、なかなか生えないのが気になって…」
なんで心配なの?7歳まで生えないのは普通のことだよ?上の子と比べる話じゃないよ?
という雰囲気が
私の受診理由を聞いた歯医者さんの言葉から伝わってきて、
いや、
私が知りたかったのは、
どんなに間が空いたって必ず生えてくるから大丈夫って
ただそれだけだったのですが、
「ほら、ここに歯もあるしね」
と歯茎を指差され、
どうやら歯医者さんには歯茎の中に
歯がみえるらしいのですが、
私にはわかりませんでした。
正しい知識を子どもを直接診察してくれた
専門家から聞くことができて、
安心はできたけど、
いまいち心のやりとりがうまくいかなかったな、
と
残念に思って帰ってきましたが、
虫歯もなかったし、
歯も生えてくるなら
何もいうことはありません。
自分の思ったことをそのまま伝えても、
違うように受け取られることは
よくありますよね。
また、自分が期待した言葉が
返ってこないこともよくありますよね。
お互いが安心できる信頼できる関係性を作っていくには、
何気ない言葉のキャッチボールがうまくいくことが
まず大前提なんだろうな、と
信頼が最も大切な医療機関に行く度に
感じます。
表現って、難しいな。
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