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初日からタネアカシ・先祖をたどる旅〜葛藤を終わらせるために④


田舎の古くて大きい家の人は、来客になれている。

母の母方のいとこにあたる方の家への私の突然の来訪は驚かれたが、
普通に仏間に通されて、
歓待された。レディボーデンのアイスとコーヒーを出していただいた。

母より少し歳上で、母いわく姉のような存在。

いとこおばの嫁ぎ先のお会いしたことのないご先祖さまの仏壇に勧められるまま線香をあげて、
手を合わせる。
どうも、どうも、と。

おばさんは大層親切な話好きの方で、
私が墓参りに来たことを告げ、
祖母方、祖父方の墓の様子を聞くと、
知っている限りのことは教えてくださった。

私が結婚する少し前に私と母が2人で南部を訪れた時に、
初めて祖父の名前を教えてくれたのもこの人だった。
母がいるときは、どうしても気をつかう。

ここには私だけだ。 
憚りなく、私たちの起源のブラックボックスの中の疑問を尋ねることができた。

プライバシーに関わるので詳細は書けないが、
このおばさんにお話しを聞いた時点で、
大体のモヤモヤしていた疑問がクリアになった。

祖父の墓の在処や、祖父の具体的なパーソナリティや、祖父母のなれそめ、などである。

勿論、母より少し年齢が上なだけで、おばさん自身も
「聞くところによると」、みたいな話ではあった。

それでも、長年の「なぜ」の大枠は理解した。

そして
「しょうもねえな」と腑に落ちた。


そして母が、
実の両親との縁に薄いわりに善人に育っているのが、

元々の性格に加えて、
この南部の土地の人たちが、血縁の濃い薄いに関わらず、
子どもの頃のさみしげな母を陰に日向に気にかけていたからなのかもしれない、

とも

感じられる話だった。






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