お花やさん

色んな文を書いています。

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最近の記事

25『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

#25デブ犬の散歩 ※洒落が通じないひとへ フィクションということで楽しんでほしいということです レッグプレス中、木澤さんの視点が一点に固定されていた。 「……また太った」 「会うたびに太ってる。もう丸すぎて歩くより転がってきた方が早いと思う」 おっぱいではない。腹だ。 そもそも木澤さんは胸に興味がない。尻派だ(YouTube調べ)。補正レギンスをもってしてもたわわに実る私の豊満な腹肉に、視線が釘付けになっていた。 「今、何キロ?僕の見立てだと⚪︎キロはある。分から

    • 24『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

      #24 木澤さんは面白いという話 「次に目線どっかにやったら、教えるのやめる」 「膝を見ろって言ってんだよ。何回言わせる気?」 パーソナル初手、レッグプレス開始10秒で、日本短気ボディビル選手権大会が開幕した。 ここ2カ月、相変わらず私のトレーニングに変化はなく、むしろ忙殺による運動不足で情けなさに拍車がかかっていた。 「膝 を 閉 じ る な つってんだよ!」 「屈曲が速い!ゆっくり下げ、速いって!何やってんだよ!」 キレだした木澤さんには、一切の反論が許されない。

      • 【恐竜体験記おまけ】復活しました

        「キチガイバーサーカー戦法をいい加減やめろカス」の話 こんにちは。ジュラシックアカデミーの面汚しこと、スミススクワット7kgです。 突然のツイッターアカウント削除に対し、たくさんのお問い合わせ(なぜか木澤さんに)をありがとうございました。奥様にまで、「なんでツイッターやめたんですか!?」って言われるのは予想外でした。意外と見てる人多い。 実は仕事について怒られて、死ぬほど落ち込んでました。薩摩藩士のイキリの血でリベンジマッチに励んだ結果、なんか色々成果は出たものの、加速

        • 23『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

          #23 ガチで怒られたエピソード ブログについてご本人から「僕のアレなことばっかりじゃなく、お前の失態を包み隠さず書け」という尤もな指摘を受けたため、今回は私がやらかした方を書いてフェアにしたいと思う。 消火どころか「まじでこいつ何しに行ってんだよ」と再燃する危険はあるけど、事実は事実としてちゃんと書くべきなので書きます。 こんなことをしでかす人は居ないと思うけど、パーソナルを受ける方は他山の石として参考にしてほしいです。 ──────────── episode1

          22『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

          #22  木澤さんノン・デリカシーエピソード4選 これまで7カ月のパーソナルですばらしい感動と学びがあった。同時に、数々の羞恥・恐怖・憤怒を味わってきたので、今までにひそかに溜まった鬱憤を晴らそうと思う。 小さいものまで拾うと膨大すぎるので、大きいやつを4つ紹介します。 【episode1】詐称疑惑 ジュラシックアカデミーでは悲鳴と雄叫びが日常茶飯事だ。多くのジムでは声出しはマナー違反として禁止されているが、ここに限っては「大声ごときで威圧感を感じる軟弱はいない」という

          22『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

          21『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

          #21 すごい太ってすごい怒られた話 太った。めっちゃ太った。 原因はシンプルで、ストレスによる過食だ。私はストレスが溜まると白米やパスタ(味付けなし)をひたすら食べるという悪癖がある。 いつものようにレッグプレスに案内される。木澤さんはなんかすごい黙ってる。沈黙に耐えかね、へらへらした口調で話を切り出した。 「あの、すみません。太っちゃいました(笑)」 笑い話になるかな。という淡い期待だった。 「ほんとですよ」 空気が一瞬で凍った。 「最近太りすぎです。本当に

          21『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

          20『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

          #20 瀕死でパーソナルに臨んだ末路 最初に言い訳をさせてほしい。 過密なスケジュールとプレッシャーにより折からずっと体調が悪かった。また、当日朝に胃の中を全てひっくり返すような出来事があり、「パーソナル前に食べてはならない」という規則と両立するため、栄養が空の状態で挑むことになった。 でもまあ根性には自信あるし、やり出せばなんとかなるだろう。淡い期待を込めて、いつものレッグプレスに挑んだ。 だが、慣らしのウエイトが異様に重い。みるみる汗が吹き出し、視界が白くなる。なん

          20『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

          19『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

          #19 ジュラシック・ワールド 今回はトレーニングの具体的な指導内容というより、パーソナルの雰囲気をメインにお伝えしたい。トレーニングのコツは木澤さんが毎日19時にYouTubeで更新してるので、そっちを見てもらったほうが遥かにわかりやすい。 まず、ジュラシックアカデミーには独特の匂いがある。入った人には分かると思うが、鉄工所と整備工場と汗の混じった匂いがする。扉を開けた途端、まじでやばいとこ来ちゃったなと確信できる。私はこの匂いを嗅ぐと心拍数が136くらいになる。有酸素

          19『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

          18『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

          #18 しゃちほこレッグカール 年末年始。仕事にかまけて好き放題食べ、筋トレをおろそかにしまくった結果、私はレスポンスのバカ速いデブになっていた。今日は1/9、木澤さんのハッピーバースデーだ。予約が取れたのも何かの縁、ここで生活を巻き返す。そう決意して向かった。 定刻まで入念に例のストレッチをして階下に降りた。取り急ぎ祝意を伝えたい。フロントにいる。チャンスだ。 「木澤さん(裏声)♡お誕生日おめでとうございます(裏声)♡これどうぞ(裏声)♡」 姿を見ると未だに緊張が走

          18『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

          17『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

          #17 ヘル・レベルアップ後編 (つづき) 第三種目/スミススクワット ここにきてスミス。一番の天敵。 どう考えても無理だ。脚はすでに力が入らない。頭の中に『再臨・片翼の天使』のイントロが流れている。迫り来る絶対恐怖の顕現だ。ちなみに、この時点でネイルが2枚どっかいった。 例によって、真後ろには木澤さん。フォームを少しでも崩すと尻をこすりつけてしまうため、変な動き不可能の鉄壁修正の型だ。まだフォームに信用がないらしい。 「もっと前、もっと。脚を開いて。膝の位置を常に

          17『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

          16『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

          #16 ヘル・レベルアップ前編 「よろしくお願いします」 この日は一階が賑わっていたので、二階からのスタートとなった。誰もいない。殺人現場に酷似した二人きりの空間に緊張が走る。 「じゃあ、これやりましょう」 見たことがないマシンだ。なんという名称で種目か尋ねてみたところ、「なんだっけ。分かんないです」との回答を得た。よし、何も分からないけど頑張るぞ。 「名前は忘れましたけど、でも、これは初心者の人に凄くいいやつです。対象筋以外に負担がない。さ、やりましょう」 そう

          16『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

          15『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

          #15 ジュラシック・脚トレ③リベンジ・スミス&ジム史上初の種目 (つづき) 消耗し切った体力と、絶望的な気持ちでスミスラックの前に立つ。 そして、例によって木澤さんがド背後に立った。間違った姿勢(#12参照)でスクワットすると尻を押し付けてしまうから、絶対に崩せない木澤さんオリジナルの鉄壁のスタイルだ。矯正このやり方以外に方法ないのか。 「もっと前。もっと。……そう、足先もう少し開いて、膝気をつけて」 ひとつひとつ丁寧に指導が入り、緊張が高まっていく。ローバーで担い

          15『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

          14『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

          #14 ジュラシック・脚トレ② (つづき) レッグプレスに20kgのプレートが装着される。なんだこの軽さは。困惑していると、木澤さんがプレス台を腕で引いた。 「押すのはここまで。ほとんど押さなくていいです。で、押したらすぐに戻して、それを繰り返す。これをやります」 「パーシャルですか!?」 あ、こいつ単語だけは知ってんだ全然できないくせに。という顔で「そうです」と返事がきた。 2種目目。パーシャルレンジレッグプレス。 パーシャルレンジとは、可動域をあえて狭める方法の

          14『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

          おまけ「木澤さんとご飯にいきたい」

          ジュラシックチャンネルには「ジュラ飯」というコーナーがある。木澤さんがひたすら吸い込むようにツナ缶やおにぎりを貪るだけなのだが、私はそれが大好きだ。 実は、以前から私は木澤さんをご飯へ執拗に誘っている。生でジュラ飯を見たいのだ。だから場所はどこでもよくて、ただご飯いければいい。奥様とのデートがザ・めしやだった木澤さんに場所のセレクトは期待していない。最高はめっちゃ美味いと評判の会員制の焼肉屋さん(木澤さんが権利を持ってる)にいきたい。美味い飯と木澤さんの食事光景が見られるな

          おまけ「木澤さんとご飯にいきたい」

          13『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

          #13 ジュラシック・脚トレ① 「⚪︎×▲⭐︎〜〜ッ!!!!」 アカデミーの扉を開けた途端、叫び声が聴こえた。腹奥から捻り出した女性の呻き声。これはおそらく、木澤さんに指導されている。 「+∂・×……!!!」 今日も相変わらずやばい。断続的に聴こえるのが怖すぎて、そちらの方を見ないように速足で更衣室に向かう。だが、2階の更衣室の扉を閉めても全然聴こえてくる。 何をされたらこんな叫びが上がるんだ。というか、今からこれを受けるのか。忘れていた恐怖心が蘇り、紛らわそうと適

          13『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

          12『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』

          #12 スクワット・リベンジ 「いつもの感じでいきますか」 パーソナル開始。ルーティンならレッグプレスに直行するところだが、今日はやりたいことがある。 「スクワット! スクワットやりたいです」 「スクワット……自分でやってるんですか」 「はい!」 現在、「まともにできない」として禁止されてるバーベルスクワットだが、自主練ではこっそりやってて、ちゃんと持ち上げられてる。ちょっとは成長してるんだというところを見せたい。しかし、木澤さんはなんかすごい微妙な笑顔?をしてい

          12『ジム史上最弱女がトップボディビルダー木澤大祐に挑んでみた』